昇格試験の自己推薦文|評価者が唸る書き方と職種別例文7選【テンプレート付き】

昇格試験の自己推薦文の書き方と構成要素を示すインフォグラフィック 面接対策

「昇格試験で自己推薦文を書けって言われたけど…何を書けばいいの?」

「志望動機とも違うし、自己PRとも違う気がするし…」

そんな戸惑いを感じていませんか?実は、自己推薦文で何を書くべきか正しく理解している受験者は全体の2割程度しかいません。多くの人が「志望動機のコピペ」や「実績の羅列」で終わってしまい、評価者から見ると「自分を推薦できていない自己推薦文」になっているんです。

この記事では、キャリアコンサルタントとして多くの昇格試験対策を行ってきた経験から、評価者が思わず唸る自己推薦文の書き方を徹底解説します。

この記事を読むと分かること:

  • 自己推薦文とは何か(志望動機・自己PRとの明確な違い
  • 評価者が見ている3つのポイント
  • 9割が失敗するNGパターン5選
  • そのまま使える構成テンプレート(300字/400字/600字)
  • 職種別の例文7選
  • 完成度を上げる5つのコツ

この記事を読めば、30分で自己推薦文のたたき台が完成します。焦らず、一緒に進めていきましょう。

昇格試験全体の概要については、昇格試験とは?5つの種類と合格のコツを完全解説も参考にしてください。

昇格試験の自己推薦文の書き方と構成要素を示すインフォグラフィック

昇格試験の「自己推薦文」とは?志望動機・自己PRとの違い

まず最初に、多くの受験者が混同しているポイントを整理しましょう。自己推薦文、志望動機、自己PR。似ているようで、それぞれの目的と書くべき内容はまったく異なります

自己推薦文の定義と目的

自己推薦文とは、「自分を自分で推薦する」ための文書です。

通常の昇格試験では、上司が人事部に対して「この部下を昇格させたい」と推薦状を書くケースがありますよね。自己推薦文は、その「推薦」を自分自身で行うものです。

つまり、単なる「やる気アピール」でも「実績の羅列」でもなく、「なぜ自分が昇格にふさわしいのか」を根拠とともに客観的に示す文書がこの自己推薦文なんです。

志望動機・自己PR・自己推薦文の違い【一発理解】

この3つの違いを一目で分かるように整理しました。

項目志望動機自己PR自己推薦文
焦点なぜ昇格したいか自分の強みは何かなぜ自分が昇格にふさわしいか
時間軸未来志向過去の実績過去→現在→未来を接続
視点意欲・覚悟能力・スキル組織への貢献可能性
主語「私は〜したい」「私の強みは〜」「私は〜の点で昇格にふさわしい」
文字数の目安300〜600字200〜400字300〜1,000字

ポイントは、自己推薦文が「過去の実績」「現在の強み」「未来の貢献」を一つのストーリーでつなぐものだということ。志望動機は「未来」、自己PRは「過去」にフォーカスしますが、自己推薦文はその両方を接続して「だから自分は昇格にふさわしい」と結論づける文書なんです。

志望動機の書き方については、昇格試験の志望動機|面接官が評価する書き方と回答例10選で詳しく解説しています。自己推薦文との違いを理解した上で、併せて準備しておきましょう。

志望動機・自己PR・自己推薦文の3つの違いを示す比較表

あなたの会社はどのパターン?自己推薦文の3つの出題形式

自己推薦文が求められる形式は、会社によって異なります。大きく3つのパターンがあるので、まず自分がどれに該当するか確認しましょう。

パターン①:ESの一項目として(200〜400字)

エントリーシートの中に「自己推薦」「自己アピール」という項目がある形式です。限られた文字数で書く必要があるため、最も伝えたいポイント1つに絞ることが大切です。

パターン②:独立した推薦レポートとして(600〜1,000字)

「自己推薦文を作成し提出すること」のように、独立した文書として求められる形式です。複数の根拠を挙げてじっくり論証できるのが特徴です。

パターン③:面接前の事前提出資料として

面接官が事前に目を通す資料として提出する形式。面接で深掘りされることを前提に書く必要があります。書いた内容について「もう少し詳しく教えてください」と聞かれたときに、スラスラ答えられる準備が必要です。

ES全体の書き方については、昇格試験ES・面接対策【主任・係長編】【課長・課長補佐編】で詳しく解説しています。


評価者が自己推薦文で見ている3つのポイント

自己推薦文を書く前に、「何が評価されるのか」を理解しておくことが最重要です。ここを外すと、どれだけ丁寧に書いても評価されません。

ポイント①:「一つ上の視座」を持っているか

評価者が最も見ているのは、現在の役職ではなく、昇格後の役職の視点で書けているかという点です。

たとえば、主任試験なのに「担当者として頑張ってきた」という視点で書いていたら、「まだ主任の仕事を理解していない」と判断されてしまいます。

❌ NG例:現在の視座のまま

「私は担当業務において、毎月の目標を確実に達成してきました。今後も引き続き高い成果を出していきたいと考えています。」

問題点: 個人プレイヤーとしての実績のみ。「主任として何をするか」が見えません。

✅ OK例:一つ上の視座

「私は担当業務で目標達成を続ける中で、チーム全体の成果にばらつきがある点に課題を感じました。主任として、自身のノウハウを仕組み化し、チーム全体の底上げに貢献したいと考えています。」

評価ポイント: 個人の成果を「チームへの貢献」に転換する視点が示されています。

この「一つ上の視座」への切り替え方については、直前対策・管理職視点への切り替えスイッチの記事で詳しく解説しています。自己推薦文を書く前に、ぜひ一読してみてください。

ポイント②:実績に「再現性」があるか

評価者が知りたいのは、「この人の実績は、たまたまの成功なのか、それとも再現できるものなのか?」ということです。

再現性とは、簡単に言えば「そのやり方を他の場面でも応用できるか」ということ。昇格後にも同じように成果を出せる人物かどうかを見極めたいわけです。

❌ 再現性が見えない書き方

「大型案件を受注し、売上目標の150%を達成しました。」

問題点: 成果は立派だが、「なぜ達成できたのか」「他の人にも展開できるのか」が不明。

✅ 再現性が示された書き方

「顧客ニーズの分析手法を体系化し、チーム内で共有した結果、チーム全体の受注率が前年比120%に向上しました。この仕組みは現在も運用されています。」

評価ポイント: 個人の成功を「仕組み化」して横展開した実績が、再現性の証明になっています。

実績を構造的に伝えるには、STAR法(Situation/Task/Action/Result)が有効です。後ほど「構成テンプレート」のセクションで詳しく解説します。

ポイント③:組織への貢献意欲が「具体的」か

「組織に貢献したい」と書く人は山ほどいます。でも、評価者が見ているのは「何を」「どのように」「いつまでに」という具体性です。

❌ 抽象的な貢献意欲

「管理職として、会社の発展に全力で貢献していく所存です。」

問題点: 誰でも書ける。具体性ゼロ。

✅ 具体的な貢献意欲

「課長として、現在の部門間連携の課題を解消するため、月1回のクロスファンクショナルミーティングを導入し、プロジェクトの遅延を30%削減することを目指します。」

評価ポイント: 「何を」「どうやって」「どこまで」が明確で、実行力が見えます。

ここで大事なのは、自社の経営方針や中期経営計画との接続です。会社が向かおうとしている方向と、自分の貢献ビジョンが合致していると、評価者は「この人は会社のことをよく理解している」と感じます。


9割が失敗するNGな自己推薦文5パターン

ここからは、多くの受験者が陥りがちなNG例を紹介します。「自分もやってしまいそう…」と思った方は、今のうちに軌道修正しましょう。

自己推薦文のNG例とOK例の比較

NG①:抽象的な精神論だけで終わる

❌ NG例

「私は常に誠心誠意、業務に取り組んでまいりました。今後も全力を尽くし、組織に貢献する所存です。何事にも前向きに取り組み、チームの和を大切にしていきたいと考えています。」

なぜダメか: 「誠心誠意」「全力」「前向き」「和を大切に」…すべて抽象的。これでは、あなたでなくても書ける文章です。評価者は何百枚もの自己推薦文を読みます。印象に残らない文章は、読み飛ばされます。

改善のコツ: 精神論を「具体的な行動」に変換してください。「全力で取り組む」→「月次レビューを導入して改善サイクルを回す」のように。

NG②:実績の自慢話が連続する

❌ NG例

「私は入社以来、営業成績で3年連続トップを獲得しました。また、新規開拓でも10社の大型顧客を獲得し、社長賞を2回受賞しました。さらに、プロジェクトリーダーとして…」

なぜダメか: 実績はすごいのですが、これは「自慢」であって「推薦」ではありません。評価者が知りたいのは「その実績を使って、昇格後にどう貢献するのか」です。実績は「根拠」であって「結論」ではないんです。

改善のコツ: 実績は1〜2つに絞り、その経験から「何を学んだか」「昇格後にどう活かすか」まで書きましょう。

NG③:上司が書く推薦状の口調になっている

❌ NG例

「私は同期の中でも特に優秀な成績を収めており、係長としての適性は十分であると考えます。つきましては、ご検討のほどよろしくお願いいたします。」

なぜダメか: これは上司が書く推薦状の書式です。自己推薦文で「ご検討のほど」は不自然。自分を推薦する文書なので、受け身ではなく主体的な姿勢が求められます。

改善のコツ: 「〜と考えます」「〜に取り組みます」のように、自分の意志と行動計画を主語にする文体で書きましょう。

NG④:現在の役職の視点から抜け出せていない

❌ NG例

「私は現在、担当者として○○業務を遂行しており、正確かつ迅速な対応を心がけています。今後もこの姿勢を維持し、業務の質をさらに高めていきたいと思います。」

なぜダメか: 主任試験なのに、書いている内容が「担当者としての頑張り」に終始しています。「主任になったら何をするか」が一切ない。昇格試験で求められるのは「今の仕事の延長」ではなく、「一つ上の役職での貢献ビジョン」です。

改善のコツ: 「〜の経験を活かして、主任として○○に取り組みたい」のように、昇格後の行動にまで言及しましょう。自分の役割と課題の書き方は、職場における私の役割と課題の例文5選も参考になります。

NG⑤:志望動機をそのままコピペしている

❌ NG例

(志望動機欄)「チーム全体の成長に貢献したいです。」
(自己推薦文欄)「チーム全体の成長に貢献したいと考え、自分を推薦します。」

なぜダメか: 志望動機と自己推薦文は目的が違うのに、同じ内容をコピペしているだけ。志望動機は「意欲」、自己推薦文は「根拠+意欲+ビジョン」。情報量がまったく異なるはずです。

改善のコツ: 自己推薦文には、志望動機にはない「根拠となる実績」と「具体的なアクションプラン」を必ず盛り込みましょう。


評価される自己推薦文の5つの構成要素

NG例を見て「じゃあどう書けばいいの?」と思った方、安心してください。自己推薦文には「この5つの要素を入れれば評価される」という鉄板の型があります。

STAR法を使った自己推薦文の構成フローチャート

要素①:冒頭結論(自分が昇格にふさわしい理由を一文で)

自己推薦文の書き出しは、「結論ファースト」が鉄則です。最初の一文で「なぜ自分が昇格にふさわしいのか」を端的に示します。

✔ 冒頭結論の例

「私は、チーム全体の業務効率化と後輩育成の仕組みづくりを推進してきた経験を活かし、主任としてチームの成果最大化に貢献できると考え、自己推薦いたします。」

要素②:根拠となる実績(STAR法で構造化)

冒頭結論を裏付ける具体的な実績を示します。ここで使いたいのが、STAR法です。

✔ STAR法とは

  • S(Situation): どんな状況だったか
  • T(Task): 自分に求められた役割は何か
  • A(Action): 具体的にどう行動したか
  • R(Result): その結果どうなったか

この4つの要素で実績を伝えると、評価者に「状況→役割→行動→成果」の流れが一目で伝わります。

✔ STAR法の使用例

S: 昨年度、当チームの納期遵守率が75%まで低下していた。
T: OJT担当として、新人3名の業務習熟と全体の進捗改善を任された。
A: 作業手順書を作成し、週次の進捗確認ミーティングを導入した。また、新人一人ひとりに合わせた段階的な業務割り振りを設計した。
R: 半年後、納期遵守率は95%まで回復し、新人3名全員が独力で担当業務を遂行できるようになった。

要素③:実績から得た学び・成長

実績を書いて終わりではなく、「その経験から何を学んだか」を必ず言語化します。これが「再現性」の証明につながります。

✔ 学びの例

「この経験を通じて、個々のスキルレベルに合わせた段階的な育成計画の重要性と、定期的な進捗確認による早期の課題発見がチーム全体の成果に直結することを学びました。」

要素④:昇格後に実現したいこと(組織貢献ビジョン)

ここが自己推薦文の最も重要なパートです。「昇格したら何をするのか」を具体的に描きます。ポイントは、「何を」「どのように」「どこまで」の3つを明確にすること。

✔ 組織貢献ビジョンの例

「主任として、OJT担当で得た育成ノウハウをチーム全体のマニュアルとして体系化し、新人の業務習熟期間を現在の6ヶ月から4ヶ月に短縮することを目標に取り組みます。」

要素⑤:決意表明(覚悟の一文)

最後に、昇格への覚悟を簡潔に示します。長々と書く必要はありません。一文で十分です。

✔ 決意表明の例

「以上の経験と学びを踏まえ、主任としてチームの成果最大化に責任を持って取り組む覚悟です。」

【テンプレート】文字数別・自己推薦文の構成

上記の5要素を、文字数に応じてどう配分するかを整理しました。

✔ 300字の場合(ES項目向け)

要素配分内容
①冒頭結論約50字昇格にふさわしい理由を一文で
②実績(STAR法・簡潔に)約120字最も伝えたい実績を1つ
③学び省略可②に含める
④貢献ビジョン約100字昇格後の具体的な取り組み1つ
⑤決意表明約30字覚悟の一文

✔ 400字の場合(標準的な提出書類向け)

要素配分内容
①冒頭結論約60字昇格にふさわしい理由を一文で
②実績(STAR法)約150字最も伝えたい実績を1つ、STARで構造化
③学び約50字実績から得た成長ポイント
④貢献ビジョン約100字昇格後の具体的な取り組み
⑤決意表明約40字覚悟+締めの一文

✔ 600字の場合(推薦レポート向け)

要素配分内容
①冒頭結論約80字昇格にふさわしい理由+背景の一文
②実績(STAR法)約200字メイン実績1つ+サブ実績1つ
③学び約80字実績から得た成長ポイント・マネジメント観
④貢献ビジョン約170字昇格後の取り組み2〜3つ、経営方針との接続
⑤決意表明約70字覚悟+組織への約束

論文の書き方全般については、昇格試験 論文の書き方完全ガイドも併せて読んでおくと、論理構成の力がさらに上がります。

✔ 自己推薦文の「根拠」を作る学習サービス

自己推薦文に書ける実績やスキルをこれから増やしたい方は、ビジネススキルを体系的に学べるオンライン学習がおすすめです。ロジカルシンキングやマネジメントの基礎を学ぶことで、昇格後に活きる「武器」が増えます。


職種別・自己推薦文の例文7選

ここからは、様々な職種に応じた自己推薦文の例文を紹介します。自分の状況に近いものを参考に、アレンジして使ってください。すべての例文は、先ほど紹介した「5つの構成要素」に沿って書かれています。

【例文①】営業職(主任→係長)

✔ 例文(約400字)

私は、営業実績とチーム貢献の両面から、係長としてチームの成果最大化に貢献できると考え、自己推薦いたします。

入社以来7年間、法人営業を担当し、直近3年間は年間目標を平均115%で達成してきました。特に昨年度は、新人2名のOJT担当として、商談同行とケーススタディ勉強会を月2回実施しました。その結果、2名とも入社半年で初受注を達成し、チーム全体の売上が前年比108%に向上しました。

この経験から、個人の営業ノウハウを体系化して共有することの重要性を実感しました。属人的だった営業手法を「型」にすることで、チーム全体の底上げが可能になると確信しています。

係長として、まず営業プロセスの標準化マニュアルを整備し、新人の戦力化期間を現在の8ヶ月から5ヶ月に短縮することを目指します。チームの成果に責任を持ち、全力で取り組む覚悟です。

良いポイント: 具体的な数字(115%、2名、108%)と仕組み化への言及(マニュアル整備、戦力化期間の短縮目標)が評価されます。

【例文②】技術・エンジニア職(係長→課長補佐)

✔ 例文(約400字)

私は、技術力とプロジェクトマネジメントの経験を活かし、課長補佐として開発部門の品質向上と人材育成に貢献できると考え、自己推薦いたします。

入社10年目のシステムエンジニアとして、直近5年間で8つのプロジェクトに参画し、うち3件でプロジェクトリーダーを担当しました。特に昨年の基幹システム刷新プロジェクトでは、5名のメンバーをまとめ、当初計画から1ヶ月前倒しでリリースを実現しました。この成果の背景には、週次コードレビューの仕組み導入と、メンバーの得意分野を活かしたタスク配分があります。

この経験を通じて、技術力だけでなく「チームの強みを引き出すマネジメント」の重要性を学びました。

課長補佐として、品質管理プロセスの標準化と若手エンジニアのスキルロードマップの策定に注力し、バグ発生率の20%削減を目標に取り組みます。

良いポイント: 技術職にありがちな「技術力アピールのみ」ではなく、マネジメント経験と仕組みづくりにまで言及している点が高評価。

【例文③】事務・管理部門(一般→主任)

✔ 例文(約400字)

私は、業務改善の実績と部門横断の調整力を活かし、主任として総務部の業務効率化と後輩育成に貢献できると考え、自己推薦いたします。

総務部に配属されて6年間、経費精算・備品管理・社内イベント運営を担当してきました。昨年度、経費精算フローのデジタル化を提案・導入した結果、月間の処理時間を40時間から25時間に短縮し、担当者の残業を平均10時間削減しました。この改善は現在も全社で運用されています。

この取り組みを通じて、「当たり前」とされている業務フローにこそ改善の余地があること、そして現場の声を拾い上げて仕組みに反映するプロセスの大切さを学びました。

主任として、部内の業務棚卸しを実施し、さらなる効率化と標準化を推進します。また、後輩2名の育成計画を策定し、チームとしてのサポート体制を強化します。

良いポイント: 事務職でも数字で成果を示せている(40時間→25時間、残業10時間削減)。

【例文④】製造・品質管理職(班長→係長)

✔ 例文(約400字)

私は、品質改善活動の推進力と現場チームのまとめ役としての経験を活かし、係長として製造ラインの品質向上と安全管理の徹底に貢献できると考え、自己推薦いたします。

製造部門で8年間勤務し、直近3年間は班長として12名のメンバーを率いてきました。昨年度、不良品発生率の改善に向けてQCサークル活動を主導し、「4M変動点管理」の仕組みを導入しました。その結果、不良品率を0.8%から0.3%に低減し、月間約120万円のコスト削減を実現しました。

この活動を通じて、現場の改善意識を高めるには、データに基づいた「見える化」と、メンバー全員が参加する仕組みづくりが不可欠であると学びました。

係長として、品質改善活動を他ラインにも水平展開し、部門全体の不良品率0.2%以下を目標に取り組みます。安全と品質を最優先に、現場の力を引き出す係長を目指します。

良いポイント: 製造現場らしい具体的な改善手法(QCサークル、4M管理)とコスト削減効果を数字で示しています。

【例文⑤】SE・IT系(リーダー→マネージャー)

✔ 例文(約400字)

私は、アジャイル開発の実践経験とチームビルディングの実績を活かし、マネージャーとして開発組織の生産性向上と人材育成に貢献できると考え、自己推薦いたします。

SE歴9年、リーダー歴3年の中で、スクラム開発を4チームに導入してきました。特に直近のプロジェクトでは、レトロスペクティブの仕組みを改善し、チームのベロシティを導入前比で35%向上させました。同時に、1on1を月2回実施し、メンバーのキャリア志向に合わせたタスクアサインを行うことで、離職率を前年の15%から3%に改善しました。

この経験から、技術的なパフォーマンスとメンバーのエンゲージメントは表裏一体であり、両方を見るマネジメントが必要だと確信しました。

マネージャーとして、開発プロセスの標準化と、エンジニアのスキルマップ制度の導入を推進し、組織全体の技術力とチーム力の両立を目指します。

良いポイント: IT系ならではの具体的な手法名と数値成果(ベロシティ35%向上、離職率15%→3%)が説得力を生んでいます。

【例文⑥】企画・マーケティング職(主任→係長)

✔ 例文(約400字)

私は、データドリブンな企画立案の実績と部門横断プロジェクトの推進力を活かし、係長として企画部門のアウトプット品質と部門間連携の強化に貢献できると考え、自己推薦いたします。

企画部門で5年間、主に新商品の市場調査とプロモーション企画を担当してきました。昨年度は、顧客データ分析に基づくターゲティング手法を提案し、新商品Aのプロモーション費用を前年施策比で30%削減しながら、売上目標の125%を達成しました。この施策は営業部門との密接な連携のもと実現したものです。

この経験から、企画力は単独では成果に結びつかず、他部門との連携と「数字で語る」姿勢が不可欠であることを学びました。

係長として、企画立案のプロセス標準化と、営業・開発との定期連携会議を制度化し、企画の実行力を高める体制づくりに取り組みます。

良いポイント: 「企画を考えた」だけでなく「他部門と連携して成果を出した」点がリーダーシップと合致しています。

【例文⑦】管理職昇格(課長→部長)

✔ 例文(約400字)

私は、課長として培った部門マネジメントの経験と、部門横断の課題解決実績を活かし、部長として事業戦略の推進と次世代リーダーの育成に貢献できると考え、自己推薦いたします。

営業部第二課長として3年間、15名の組織をマネジメントしてきました。就任時に前年比85%まで落ち込んでいた部門売上を、顧客セグメント別の営業戦略を導入し、2年で前年比110%まで回復させました。また、課長補佐2名の育成に注力し、うち1名は今期の課長候補として推薦されています。

この経験から、部門の成果は「正しい戦略」と「それを実行できる人材」の両輪で生まれるものだと確信しています。

部長として、中期経営計画に基づく営業戦略の再構築と、3年以内に課長候補を3名育成する人材パイプラインの構築に取り組みます。全社視点で部門の役割を再定義し、経営チームの一員としての責任を果たします。

良いポイント: 全社視点・中長期戦略・後継者育成に言及。部長試験のES対策はES・面接対策【部長編】も参考にしてください。


自己推薦文を1ランク上げる5つのコツ

例文を参考にたたき台ができたら、ここからは完成度を引き上げるためのテクニックを5つ紹介します。

コツ①:数字を入れて説得力を出す

「改善した」「向上した」「貢献した」だけでは抽象的です。具体的な数字を入れるだけで、説得力が段違いに上がります。

「業務効率を大幅に改善しました」

「月間の処理時間を40時間から25時間に短縮しました(37.5%削減)」

数字が出しにくい場合でも、「5名のチーム」「月2回の実施」「3ヶ月で達成」のように、規模・頻度・期間を数値化する工夫はできます。

コツ②:PREP法で論理構成を整える

自己推薦文全体の流れは、PREP法(Point→Reason→Example→Point)で構成すると読みやすくなります。

✔ PREP法の流れ

  • P(結論): 「私は○○の点で昇格にふさわしいと考えます」
  • R(理由): 「なぜなら、○○の経験があるからです」
  • E(具体例): 「具体的には、○○を行い、○○の成果を出しました」
  • P(再結論): 「この経験を活かし、○○として貢献します」

コツ③:「課題→取り組み→成果→学び」のストーリーを意識する

評価者は何百もの自己推薦文を読みます。その中で印象に残るのは、「ストーリー性のある文章」です。「課題を発見し、それに対してアクションを起こし、成果を出し、そこから学びを得た」という流れは、人間が最も理解しやすい文章構造の一つです。

コツ④:自社の経営方針・中期計画との接続

自己推薦文の「貢献ビジョン」が、会社の方向性と合致していると、評価者は「この人は会社のことをよく理解している」と感じます。試験前に、自社の経営方針・中期計画・社長メッセージに必ず目を通しておきましょう。

コツ⑤:第三者にレビューしてもらう

自分で書いた文章は、どうしても「自分目線」に偏りがちです。上司や先輩に読んでもらい、客観的なフィードバックをもらうことで、格段に良くなります。

✔ レビューのチェックポイント

  • 「一つ上の視座」で書けているか?
  • 実績に再現性があるか?
  • 組織への貢献が具体的か?(「何を」「どのように」「いつまでに」が明確か)

面接官がどういうポイントで落とすかを知っておくと、自己推薦文の精度も上がります。昇格面接で落ちる人の共通点も読んでおきましょう。


自己推薦文を完成させる5ステップ

ここまでの内容を踏まえて、自己推薦文を完成させるまでの具体的な手順を紹介します。

Step1:自分の実績を棚卸しする

まずは、これまでの仕事で「成果を出した経験」を思いつく限りリストアップします。

✔ 棚卸しのための質問リスト

  • 直近3年間で、数字で示せる成果は何か?
  • 後輩や新人を指導した経験はあるか?その結果は?
  • 業務改善や効率化を提案・実行したことはあるか?
  • 他部門と連携して成果を出した経験はあるか?
  • トラブルや困難な状況を乗り越えた経験はあるか?
  • 上司から評価されたこと、感謝されたことは何か?

Step2:昇格後の役職で求められることを整理する

次に、昇格先の役職で求められる役割・能力を整理します。人事制度のガイドライン、職位要件、上司の仕事ぶりなどを参考にしましょう。

Step3:実績と昇格後のビジョンを接続する

Step1の実績からStep2の「求められる役割」に最も合致するものを1〜2つ選び、「この実績があるから、昇格後に○○ができる」という因果関係をつなぎます。

Step4:テンプレートに沿って書く

5つの構成要素(冒頭結論→実績→学び→貢献ビジョン→決意表明)に沿って、一気に書き上げます。最初は完璧を目指さなくて大丈夫。まずはたたき台を作ることが最優先です。

Step5:音読して違和感チェック&推敲

書き上げたら、必ず音読してください。黙読では気づかない「不自然な言い回し」「論理の飛躍」が浮き彫りになります。一文が長すぎないか(目安:60字以内)、同じ表現の繰り返しがないかもチェックしましょう。


よくある質問(FAQ)

Q1. 自己推薦文と志望動機の違いは?

A. 志望動機は「なぜ昇格したいか」という意欲を示すもの。自己推薦文は「なぜ自分が昇格にふさわしいか」を根拠とともに示すものです。自己推薦文は「過去の実績+未来のビジョン」を一つのストーリーでつなぐ文書です。

Q2. 文字数はどのくらいが適切?

A. ESの一項目なら200〜400字、独立した提出書類なら600〜1,000字が一般的です。会社の指定がある場合はそれに従いましょう。

Q3. 謙虚に書くべき?それとも強気に書くべき?

A. 過度な謙遜はNGです。事実に基づいた実績は堂々と書きましょう。ポイントは「自慢」ではなく「根拠ある自己評価」として書くことです。

Q4. 目立った実績がない場合はどうすれば?

A. 日常業務の改善提案、後輩指導、業務効率化の工夫など、小さな取り組みでも十分です。大切なのは「何をしたか」だけでなく、「そこから何を学び、どう成長したか」を示すことです。

Q5. 自己推薦文の内容は面接でも聞かれる?

A. はい、面接官は事前に自己推薦文を読んでいることが多いです。内容を深掘りされることが頻出パターンなので、書いた実績やビジョンについてさらに具体的に語れるよう準備しましょう。面接対策は面接対策完全ガイドもチェックしてください。


まとめ:自己推薦文は「推薦する覚悟」を示す場

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。自己推薦文の書き方、だいぶイメージが湧いたんじゃないでしょうか?

✔ この記事のポイントまとめ

  • 自己推薦文は「志望動機」でも「自己PR」でもない、「なぜ自分が昇格にふさわしいか」を根拠とともに示す文書
  • 評価者が見ているのは「一つ上の視座」「実績の再現性」「具体的な貢献意欲」の3つ
  • 構成は5要素:冒頭結論→実績(STAR法)→学び→貢献ビジョン→決意表明
  • 抽象的な精神論、実績の羅列、志望動機のコピペはNG
  • 数字を入れ、PREP法で構成し、自社の経営方針と接続すると評価が上がる

自己推薦文って、正直面倒ですよね。「自分で自分を推薦するなんて…」と気恥ずかしさもあるかもしれません。

でも、考えてみてください。あなたのことを一番よく知っているのは、あなた自身です。上司が書く推薦状では伝えきれない「あなたの想い」や「あなただからこそできる貢献」を伝えられるのは、自己推薦文だけなんです。

完璧を目指さなくて大丈夫。まずは、この記事のテンプレートを使って、たたき台を書いてみてください。書き始めれば、自分の考えが整理されて、どんどん形になっていきますよ。

焦らず、コツコツ準備すれば、必ず伝わる自己推薦文が完成します。応援しています!


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