職場における私の役割と課題の例文5選|評価される書き方

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昇格試験の論文テーマで最も頻出するのが「職場における私の役割と課題」です。シンプルなテーマに見えますが、実際に書き始めると「何をどう書けばいいのか分からない」と悩む方が少なくありません。

この記事では、昇格試験で評価される論文の書き方を、職種別の例文5選とともに徹底解説します。営業職、製造業、事務職、IT・エンジニア職、サービス業それぞれの立場から具体的な例文を紹介しますので、あなたの職種に合った書き方が必ず見つかるはずです。

✅ この記事で分かること

  • 「役割」と「課題」の違いと正しい理解
  • 評価される論文の基本構成(テンプレート付き)
  • 職種別の具体的な例文5選(800字〜1200字)
  • よくある失敗パターンと改善方法
  • 書き始める前にやるべき3つの準備

それでは、まず「職場における私の役割と課題」が昇格試験で問われる理由から見ていきましょう。


  1. 「職場における私の役割と課題」が昇格試験で問われる理由
    1. 企業が見極めたい3つのポイント
    2. 課長職・主任職で求められる視点の違い
  2. 「役割」と「課題」の違いを正しく理解する
    1. 「役割」とは何か?
    2. 「課題」とは何か?
    3. 「問題」と「課題」を混同してはいけない理由
  3. 評価される論文の基本構成(テンプレート付き)
    1. 基本の3部構成
    2. 文字数別の構成パターン(800字/1200字/1500字)
    3. 導入文の書き方
  4. 【職種別】職場における私の役割と課題の例文5選
    1. 例文①:営業職(課長候補向け・1200字)
    2. 例文②:製造業(現場リーダー向け・1200字)
    3. 例文③:事務職(主任候補向け・1000字)
    4. 例文④:IT・エンジニア職(チームリーダー向け・1200字)
    5. 例文⑤:サービス業(店長候補向け・1000字)
  5. 例文から学ぶ「評価されるポイント」の分析
    1. 組織視点が盛り込まれている
    2. 具体的なアクションが明記されている
    3. 数値や実績で説得力を持たせている
  6. よくある失敗パターンと改善方法
    1. 失敗①:「私」ばかりにフォーカスしている
    2. 失敗②:抽象的な表現で終わっている
    3. 失敗③:役割と課題がバラバラ
    4. 失敗④:会社の文化・方針と乖離している
  7. 書き始める前にやるべき3つの準備
    1. 自分の立場を明確にする
    2. 会社が求める人材像をリサーチする
    3. 具体的なエピソードを棚卸しする
  8. 論文を書く際の実践的なコツ
    1. 冒頭で結論を示す
    2. PREP法を活用する
    3. 推敲のチェックリスト
  9. よくある質問(FAQ)
    1. Q1: 文字数が足りないときはどうすればいい?
    2. Q2: 自分の会社に当てはまる例文がない場合は?
    3. Q3: 「課題」が見つからないときは?
    4. Q4: ネガティブな課題を書いても大丈夫?
    5. Q5: 論文と面接の内容は統一すべき?
  10. まとめ:自分の言葉で「自分らしさ」を表現しよう
  11. 次に読んでほしい記事

「職場における私の役割と課題」が昇格試験で問われる理由

企業が見極めたい3つのポイント

企業がこのテーマを出題する背景には、明確な意図があります。それは、昇進後の役割適性を見極めるためです。

具体的には、以下の3つのポイントを評価しています。

1. 組織視点を持っているか

管理職に求められるのは、個人の成果ではなく「チームや部門全体をどう動かすか」という視点です。「私」だけでなく「組織」を見て考えられるかが問われます。

2. 課題発見能力があるか

与えられた仕事をこなすだけでなく、自ら課題を発見し、改善に向けて行動できる人材かどうかを見ています。現状を客観的に分析し、具体的な課題を言語化できることが重要です。

3. 実行力と具体性があるか

抽象的な理想論ではなく、実際に何をどう実行するのか、具体的なアクションプランを持っているかが評価されます。数値やエピソードを交えて説得力を持たせることが求められます。

課長職・主任職で求められる視点の違い

昇進する職位によって、求められる視点は異なります。

✅ 主任・係長クラスに求められる視点

  • 現場のプレイヤーとしての実績
  • チーム内での調整役、サポート役としての役割
  • 日常業務の効率化や改善提案

✅ 課長・管理職クラスに求められる視点

  • 部門全体の目標達成への責任
  • 部下の育成とチームマネジメント
  • 上司と部下の橋渡し役
  • 中長期的な視点での組織運営

自分が目指す職位に応じて、論文で示すべき視点を調整することが大切です。


役割と課題の違いを示す図解(役割=期待されること、課題=解決すべきこと)

「役割」と「課題」の違いを正しく理解する

論文を書く前に、まず「役割」と「課題」の違いを正しく理解しておきましょう。この2つを混同すると、論文全体がブレてしまいます。

「役割」とは何か?

役割とは、組織や職場において期待されていること、担うべき立場や責任のことです。

例えば:

  • チームの目標達成をリードすること
  • 部下の育成とスキル向上を支援すること
  • 上司と部下の橋渡しをすること
  • 組織の活性化と風通しの良い職場づくり

役割は「私がやるべきこと」「私に期待されていること」という観点で考えます。

「課題」とは何か?

課題とは、役割を果たすために解決すべきこと、改善すべき具体的な事項のことです。

例えば:

  • 情報共有の仕組みが不十分 → 情報共有の仕組みを構築すること
  • 若手の育成が計画的に行われていない → 育成プログラムを体系化すること
  • 部署間の連携が弱い → 部署間連携の場を設けること
  • 業務の属人化が進んでいる → マニュアル化を推進すること

課題は「現状とあるべき姿のギャップ」であり、具体的なアクションが必要なものです。

「問題」と「課題」を混同してはいけない理由

❌ 混同すると大幅減点の危険

「問題」と「課題」は似ていますが、実は異なる概念です。

  • 問題:すでに起きている望ましくない状態(例:残業時間が月平均40時間に達している)
  • 課題問題を解決するために取り組むべきこと(例:業務の棚卸しによる無駄の削減を実施すること)

論文では「問題」を指摘するだけでなく、それを解決するための「課題」として言語化することが重要です。

詳しくは下記の関連記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。


昇格試験論文の基本3部構成(導入・本論・結論)を示す図解

評価される論文の基本構成(テンプレート付き)

基本の3部構成

昇格試験の論文は、以下の3部構成が基本です。

✅ 評価される論文の基本構成

1. 導入(背景・現状認識)200〜300字

  • 自分の所属部署や担当業務を簡潔に紹介
  • 組織の目標や方針に触れる
  • 現状の課題を問題提起

2. 本論(役割と課題の具体化)全体の7割

  • 私の役割とは何か
  • その役割を果たすための具体的な課題
  • 課題に対する取り組み方や解決策

3. 結論(決意表明・まとめ)150〜200字

  • これまでの経験を活かしてどう取り組むか
  • 今後の目標や意気込み

この構成を守ることで、論理的で読みやすい論文になります。

文字数別の構成パターン(800字/1200字/1500字)

文字数によって、各パートの配分を調整しましょう。

✅ 800字の場合

  • 導入:100〜150字
  • 本論:500〜600字(全体の約70%)
  • 結論:100〜150字

✅ 1200字の場合

  • 導入:150〜200字
  • 本論:800〜900字(全体の約70%)
  • 結論:150〜200字

✅ 1500字の場合

  • 導入:200〜250字
  • 本論:1000〜1100字(全体の約70%)
  • 結論:200〜250字

本論が全体の7割程度を占めるように配分するのがコツです。

800字・1200字・1500字別の論文構成パターン比較表

導入文の書き方

導入文は論文の印象を左右する重要なパートです。以下のポイントを押さえましょう。

✅ 導入文に盛り込むべき3要素

① 自分の立場を明確にする
「私は営業部で主任として、法人顧客への提案営業と部下の育成を担当しています」

② 組織の目標や方針に触れる
「当社の経営理念である『顧客満足の追求と社会への貢献』を実現するためには…」

③ 課題意識を示す
「しかし現状では、情報共有の仕組みが不十分であり、チーム全体の生産性向上が課題となっています」

この3つを盛り込むことで、組織視点を持った導入文になります。


【職種別】職場における私の役割と課題の例文5選

ここからは、職種別の具体的な例文を紹介します。自分の職種に近いものを参考にしながら、自分の言葉で書き直してみてください。

例文①:営業職(課長候補向け・1200字)

私は営業部で主任として、法人顧客への提案営業と部下の育成を担当しています。チーム全体の成果を高めるために、個々の営業活動を支援し、スムーズな情報共有を促すことが私の役割です。上司の方針を理解したうえで現場に落とし込み、部下が安心して業務に取り組める環境を整えることを常に意識しています。

当社の経営理念である「顧客満足の追求と社会への貢献」を実現するためには、組織の生産性を飛躍的に高める必要があります。そのためには、個人の営業力を高めるだけでなく、チーム全体の底上げが不可欠です。

私が考える職場における役割は、大きく2つあります。

第一に、チームの目標達成をリードすることです。営業部門の目標は、個人の力だけで達成できるものではありません。全員がベクトルを合わせ、協力してこそ成しうるものです。そのためには、目標を部門内で共有し、各メンバーが自分の役割を理解することが重要です。私は定期的なミーティングを実施し、進捗状況の共有と課題の早期発見に努めています。

第二に、部下の育成です。現在、チームには経験3年未満の若手が3名おり、彼らの成長がチーム全体の成績向上に直結します。画一的な指導ではなく、各々の部下の能力や特性に応じた指導を行うことが重要だと考えています。

これらの役割を果たすうえで、私が認識している課題は以下の2点です。

まず、目標の部門内共有の徹底です。現状では、月次目標の共有は行っていますが、日々の営業活動における課題や成功事例の共有が不十分です。そこで、週1回のチームミーティングを新たに導入し、各メンバーの活動状況や顧客からのフィードバックを共有する場を設けます。これにより、他のメンバーの成功パターンを学び合い、チーム全体のスキルアップを図ります。

次に、若手の育成方法の確立です。これまで培ってきた顧客との信頼関係構築の方法を活用し、若手が営業において感じている壁、すなわちニーズを聞き出し、成長のために必要な提案を行います。具体的には、月1回の1on1面談を実施し、定期的な相談やフォローアップを行います。それぞれの若手に合った方法を考えることで、チーム全体の成績向上を持続的に達成できると考えます。

私はこれまで、法人営業として8年間の経験を積み、前年度は個人目標を120%達成しました。この経験を活かし、課長職として組織全体の目標達成とメンバーの成長を支援していきたいと考えています。

✅ この例文のポイント

  • 導入で自分の立場と役割を明確に示している
  • 「役割」→「課題」の流れが論理的
  • 具体的な数値(経験3年未満の若手3名、目標120%達成)を入れている
  • 「週1回のミーティング」「月1回の1on1」など具体的なアクションを明記

例文②:製造業(現場リーダー向け・1200字)

私は製造部門でリーダーとして、現場作業員から徐々に管理職へと昇進してきました。効率化や品質向上、安全管理を念頭に、現場の声を大切にしながらチームをまとめています。

製造部門における私の役割は、現場の生産性向上と品質管理、そして安全な職場環境の構築です。作業員一人ひとりが安心して働ける環境を整え、組織全体の目標達成に貢献することが求められています。

現場リーダーとして、私は3つの視点から役割を捉えています。

第一に、生産効率の向上です。当部門では、月間生産目標1000ユニットの達成が求められていますが、現状では平均950ユニット程度に留まっています。この目標達成のためには、作業工程の見直しと無駄の削減が不可欠です。

第二に、品質管理の徹底です。顧客満足を実現するためには、不良品率を現状の2.5%から1.0%以下に抑える必要があります。そのためには、各工程でのチェック体制の強化と、作業員の品質意識の向上が求められます。

第三に、安全管理の推進です。製造現場では常に労災のリスクがあります。昨年度は軽微な事故が3件発生しており、ゼロにすることが最優先課題です。

これらの役割を果たすために、私が取り組むべき課題は以下の3点です。

まず、定期的なミーティングの実施です。現状では、現場の声が上層部に届きにくく、また上層部の方針が現場に正確に伝わっていません。週1回の現場ミーティングを実施し、作業員と管理職の情報共有の場を設けます。これにより、現場の改善提案を吸い上げるとともに、会社の方針を正確に伝えることが可能になります。

次に、KPIの設定とモニタリングです。生産効率と品質指標の両方を追跡するため、日次・週次・月次のKPIを設定します。データを基に目標を明確化することで、メンバー全員が自らの役割を理解し、効率性や品質の向上に努めることができます。

最後に、安全管理体制の強化です。定期的な安全教育を実施するとともに、各工程に安全管理委員を配置します。作業員のフィードバックを元に安全対策を見直す体制を整え、安全ルールを明確化します。常に確認可能な環境を整備することで、意識的な安全管理を推進します。

私は現場作業員として10年間の経験があり、現場の実情を熟知しています。この経験を活かし、現場の声を大切にしながら、データに基づいたマネジメントを実践していきます。チーム全員が安心して働ける環境を作り、組織目標の達成に貢献したいと考えています。

✅ この例文のポイント

  • 数値目標が具体的(月間1000ユニット、不良品率2.5%→1.0%
  • 現状の課題を定量的に示している(軽微な事故3件)
  • KPI設定など、データドリブンな姿勢を示している
  • 現場経験10年という強みを活かす方向性を示している

例文③:事務職(主任候補向け・1000字)

私は総務部で事務担当として、社内の各部署のサポート業務を担当しています。書類処理や来客対応、備品管理など、多岐にわたる業務を通じて、社員が働きやすい環境を整えることが私の役割です。

総務部門は会社の縁の下の力持ちとして、全社員が円滑に業務を進められるよう支援する役割を担っています。そのためには、正確で迅速な対応と、常に改善意識を持って業務に取り組むことが求められます。

私が考える職場における役割は、2つあります。

第一に、社内の業務効率化の推進です。各部署から寄せられる依頼に迅速かつ正確に対応することはもちろん、業務プロセスそのものを見直し、より効率的な方法を提案することが重要です。

第二に、部署間の連携強化です。総務部は全部署と接点を持つため、部署間の橋渡し役として機能することができます。情報の伝達漏れや認識の齟齬を防ぎ、スムーズなコミュニケーションを促進することが求められます。

これらの役割を果たすために、私が取り組むべき課題は以下の2点です。

まず、業務マニュアルの整備です。現状では、業務の進め方が担当者によって異なり、属人化が進んでいます。そのため、担当者が不在の際に対応が遅れるケースが発生しています。そこで、主要業務についてマニュアルを作成し、誰でも一定水準の対応ができる体制を整えます。特に、来客対応や備品発注など、頻度の高い業務から優先的に着手します。

次に、情報共有の仕組みづくりです。現在、部署間の連絡は主にメールで行われていますが、重要な情報が埋もれてしまうことがあります。そこで、社内ポータルサイトを活用した情報共有の仕組みを提案します。各部署からのお知らせや社内規程の変更など、全社員が確認すべき情報を一元管理することで、情報伝達の精度を高めます。

私はこれまで5年間の総務経験を通じて、社内の様々な業務フローを理解してきました。この経験を活かし、主任として部門全体の業務効率化と職場環境の改善に貢献していきたいと考えています。

✅ この例文のポイント

  • 事務職ならではの「縁の下の力持ち」としての役割を明確化
  • 属人化という具体的な課題を指摘
  • マニュアル整備、ポータルサイト活用など実現可能な解決策を提示
  • 5年間の経験という実績を盛り込んでいる

例文④:IT・エンジニア職(チームリーダー向け・1200字)

私はシステム開発部でエンジニアとして、社内業務システムの開発と保守を担当しています。チームは7名で構成され、私は技術面でのリーダー役を務めています。

IT部門における私の役割は、技術的な課題解決とチームの生産性向上、そして品質の高いシステムを安定的に提供することです。技術の進化が速いIT業界において、常に最新の知見を取り入れながら、チーム全体のスキルアップを図ることが求められています。

私が考える職場における役割は、3つあります。

第一に、プロジェクトマネジメントです。開発案件は複数同時進行することが多く、優先順位の設定やリソース配分が重要です。各プロジェクトの進捗を管理し、期限内に高品質なシステムを納品することが求められます。

第二に、技術的な意思決定です。システム設計やアーキテクチャの選定、技術スタックの決定など、プロジェクトの方向性を左右する重要な判断を行います。将来の保守性や拡張性も考慮した技術選定が必要です。

第三に、メンバーの育成です。チームには経験年数3年未満のメンバーが4名おり、彼らの成長がチーム全体の生産性に直結します。技術的なスキルだけでなく、問題解決能力やコミュニケーション能力の向上も支援する必要があります。

これらの役割を果たすために、私が取り組むべき課題は以下の3点です。

まず、コードレビュー体制の強化です。現状では、時間に追われてコードレビューが形骸化しているケースがあります。そこで、プルリクエストに対して必ず2名以上のレビューを義務化し、レビューの観点をチェックリスト化します。これにより、バグの早期発見とコード品質の向上、さらにはレビューを通じたナレッジ共有が可能になります。

次に、技術的負債の解消です。過去に開発したシステムの一部で、古い技術スタックが使われており、保守性が低下しています。そこで、四半期ごとにリファクタリング期間を設け、計画的に技術的負債を返済していきます。短期的には開発速度が落ちますが、中長期的にはメンテナンスコストの削減につながります。

最後に、ナレッジ共有の仕組みづくりです。現在、個人の知見がチーム内で共有されず、同じような課題に何度も直面しています。そこで、週1回の技術共有会を実施し、各メンバーが学んだことや解決した課題を発表する場を設けます。また、社内wikiを整備し、トラブルシューティングや設計パターンをドキュメント化します。

私はエンジニアとして8年間の開発経験があり、様々なプロジェクトに携わってきました。この経験を活かし、チームリーダーとして技術力の高いチームを作り、組織の成長に貢献していきたいと考えています。

✅ この例文のポイント

  • IT業界特有の課題(技術的負債、コードレビュー)を具体的に指摘
  • プルリクエストのレビュー義務化など、実践的な解決策を提示
  • ナレッジ共有という組織的な取り組みを提案
  • 8年間の開発経験という実績を明記

例文⑤:サービス業(店長候補向け・1000字)

私は店舗でアシスタントマネージャーとして、接客業務とスタッフの管理を担当しています。店長を補佐しながら、お客様に満足いただけるサービスを提供し、スタッフが働きやすい環境を整えることが私の役割です。

当店の経営方針は「お客様に感動を届ける」ことです。この方針を実現するためには、スタッフ一人ひとりが高い意識を持ち、チーム全体でサービス品質を向上させることが不可欠です。

私が考える職場における役割は、2つあります。

第一に、顧客満足度の向上です。お客様からのフィードバックを真摯に受け止め、サービスの改善につなげることが重要です。現在、当店の顧客満足度スコアは4.2/5.0ですが、4.5以上を目指す必要があります。

第二に、スタッフの育成とモチベーション管理です。接客業では、スタッフの態度やスキルが顧客満足度に直結します。新人スタッフの早期戦力化と、ベテランスタッフのモチベーション維持が求められています。

これらの役割を果たすために、私が取り組むべき課題は以下の2点です。

まず、接客マニュアルの見直しと教育体制の強化です。現状のマニュアルは基本的な内容に留まっており、実際の接客で発生する様々な状況に対応しきれていません。そこで、ベテランスタッフの接客ノウハウを集約し、ケース別の対応例を盛り込んだマニュアルを作成します。また、新人スタッフに対しては、先輩スタッフとのペア制度を導入し、OJTを通じた実践的な教育を行います。

次に、スタッフ間のコミュニケーション活性化です。現在、忙しい時間帯にはスタッフ同士の連携がうまくいかず、お客様をお待たせしてしまうケースがあります。そこで、毎朝の朝礼で当日の予約状況や注意事項を共有し、スタッフ全員が情報を把握できるようにします。また、月1回のスタッフミーティングを実施し、業務改善のアイデアや悩みを共有する場を設けます。

私はこれまで5年間の接客経験を通じて、多様なお客様のニーズに応えてきました。この経験を活かし、店長として店舗全体のサービス品質向上とスタッフの成長を支援していきたいと考えています。

✅ この例文のポイント

  • 顧客満足度スコア4.2/5.0という具体的な数値を明記
  • 接客業ならではの課題(マニュアル、コミュニケーション)を指摘
  • ペア制度、朝礼、月次ミーティングなど実現可能な施策を提示
  • 5年間の接客経験という実績を盛り込んでいる

昇格試験論文で評価される3つのポイント(組織視点・具体的アクション・数値実績)

例文から学ぶ「評価されるポイント」の分析

ここまで5つの例文を紹介しました。これらの例文に共通する「評価されるポイント」を分析してみましょう。

組織視点が盛り込まれている

✅ 評価される論文の特徴①

すべての例文に共通するのは、「私」だけでなく「チーム」「部門」「組織」という視点が盛り込まれていることです。

例えば、営業職の例文では「チーム全体の底上げ」、製造業の例文では「組織全体の目標達成」といった表現が使われています。

管理職に求められるのは、個人の成果ではなく「組織をどう動かすか」です。この視点を忘れずに論文を書きましょう。

具体的なアクションが明記されている

✅ 評価される論文の特徴②

評価される論文には、必ず具体的なアクションが明記されています。

  • 週1回のチームミーティングを実施する
  • 月1回の1on1面談を実施する
  • KPIを設定してモニタリングする
  • 業務マニュアルを作成する

抽象的な表現ではなく、「いつ」「何を」「どのように」するのかを明確にすることで、実行力をアピールできます。

数値や実績で説得力を持たせている

✅ 評価される論文の特徴③

数値を入れることで、論文の説得力が格段に上がります。

  • 「経験3年未満の若手が3名
  • 「前年度は個人目標を120%達成
  • 「月間生産目標1000ユニット
  • 「不良品率を2.5%から1.0%以下に」
  • 「顧客満足度スコア4.2/5.0

このように、具体的な数値を盛り込むことで、現状認識の正確さと課題設定の妥当性を示すことができます。


よくある失敗パターンと改善方法

昇格試験の論文でよく見られる失敗パターンと、その改善方法を紹介します。

失敗①:「私」ばかりにフォーカスしている

❌ NG例

私は営業で8年間頑張ってきました。私の役割は新規顧客を獲得することです。私は毎日100件の電話営業を行い、私の努力により…

問題点:
「私」という言葉が連発され、個人の頑張りしか見えていません。管理職に求められる組織視点が欠けています。

✅ 改善方法

「組織」「チーム」「部門」から書き始め、その中で「私」の役割を位置づけましょう。

改善例:
営業部門の目標達成には、チーム全体の底上げが不可欠です。私はチームリーダーとして、メンバーの育成と効率的な情報共有の仕組みづくりを担っています。」

失敗②:抽象的な表現で終わっている

❌ NG例

「私の役割はチームをまとめることです。課題はコミュニケーション不足です。今後、しっかりとコミュニケーションを取っていきたいと思います。」

問題点:
「しっかりと」「今後」といった曖昧な表現ばかりで、具体性がありません。

✅ 改善方法

「いつ」「何を」「どのように」するのかを明確にしましょう。

改善例:
「課題はチーム内の情報共有不足です。そこで、週1回のチームミーティングを新たに導入し、各メンバーの活動状況や顧客からのフィードバックを共有する場を設けます。」

失敗③:役割と課題がバラバラ

❌ NG例

「私の役割は部下の育成です。課題は売上目標の達成です。」

問題点:
役割と課題の関係性が見えません。「役割を果たすための課題」という論理的なつながりがありません。

✅ 改善方法

「役割」→「その役割を果たすために解決すべき課題」という流れを作りましょう。

改善例:
「私の役割は部下の育成です。この役割を果たすための課題は、若手の育成方法の確立です。具体的には、月1回の1on1面談を実施し、それぞれの若手に合った指導を行います。」

失敗④:会社の文化・方針と乖離している

❌ NG例

(会社が「チームワーク重視」を掲げているのに)
「私は個人の成果を最優先し、トップセールスを目指します。」

問題点:
会社の経営理念や方針と矛盾する内容になっています。

✅ 改善方法

事前に会社の経営理念、中期経営計画、人材育成方針などをリサーチし、それに沿った内容にしましょう。

改善例:
「当社の経営理念である『チームで成果を生み出す』を実現するため、私はチームリーダーとして、メンバー全員が力を発揮できる環境づくりに注力します。」


書き始める前にやるべき3つの準備

論文は、書き始める前の準備が8割です。以下の3つの準備をしっかり行うことで、書くべき内容が明確になります。

自分の立場を明確にする

まず、自分の現在の立場と、目指す職位を明確にしましょう。

✅ 整理すべき4つの情報

  • 現在の職位:主任、リーダー、一般社員など
  • 目指す職位:課長、主任、係長など
  • 担当業務:営業、製造、事務、エンジニアなど
  • チーム構成:メンバー数、経験年数など

この情報を整理することで、論文の導入部分がスムーズに書けます。

会社が求める人材像をリサーチする

会社の経営理念、中期経営計画、人材育成方針などをリサーチしましょう。

  • 経営理念は何か?
  • 中期経営計画の重点施策は?
  • 人事評価制度で重視されている項目は?
  • 管理職に求められる役割やスキルは?

上司や人事部門に直接聞いてみるのも効果的です。会社が求める人材像を理解することで、論文の方向性が定まります。

具体的なエピソードを棚卸しする

自分のこれまでの経験を振り返り、具体的なエピソードを棚卸ししましょう。

以下の質問に答える形で整理してみてください。

  • これまでにどんなプロジェクトに関わったか?
  • どんな課題に直面し、どう解決したか?
  • どんな成果を出したか?(数値で示せるもの)
  • 部下や後輩をどう育成してきたか?
  • チーム内でどんな役割を担ってきたか?

この棚卸しが、論文を書くときの「武器」になります。

詳しい準備方法については、note記事「職場における私の役割と課題を書く前に、私がやった3つのこと」でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。


PREP法の構成(Point・Reason・Example・Point)を示す図解

論文を書く際の実践的なコツ

冒頭で結論を示す

論文は「結論→理由→具体例」の順で書くと、論理的で読みやすくなります。

❌ NG例

「私はこれまで営業として8年間働いてきました。様々な経験を通じて…(長い前置き)…その結果、私の役割はチームの目標達成だと考えています。」

✅ OK例

「私の役割は、チームの目標達成をリードすることです。これまで8年間の営業経験を通じて…」

冒頭で結論を示すことで、面接官が論文の趣旨をすぐに理解できます。

PREP法を活用する

PREP法とは、以下の順で文章を構成する方法です。

  • P (Point):結論
  • R (Reason):理由
  • E (Example):具体例
  • P (Point):結論の再確認

✅ PREP法の実践例

P: 私の課題は、若手の育成方法の確立です。
R: なぜなら、チームには経験3年未満の若手が3名おり、彼らの成長がチーム全体の成績向上に直結するからです。
E: 具体的には、月1回の1on1面談を実施し、それぞれの若手に合った指導を行います。
P: これにより、チーム全体の成績向上を持続的に達成できると考えます。

この構成を意識するだけで、論理的で説得力のある文章になります。

昇格試験論文の推敲チェックリスト(内容面・表現面の確認項目)

推敲のチェックリスト

論文を書き終えたら、以下のチェックリストで推敲しましょう。

✅ 推敲のチェックリスト

【内容面】

  • 組織視点が盛り込まれているか?
  • □ 「役割」と「課題」が論理的につながっているか?
  • □ 具体的なアクションが明記されているか?
  • □ 数値やエピソードが盛り込まれているか?
  • □ 会社の経営理念や方針と一致しているか?

【表現面】

  • □ 「私」が連発されていないか?
  • □ 抽象的な表現(「しっかりと」「今後」など)を使っていないか?
  • □ 誤字脱字はないか?
  • □ 文章が長すぎないか?(1文は60文字以内が目安)
  • □ 文末が「です・ます調」で統一されているか?

よくある質問(FAQ)

Q1: 文字数が足りないときはどうすればいい?

A: 以下の4つの方法で文字数を増やすことができます。

  1. 具体例を追加する:「例えば」「具体的には」という言葉を使って、事例を補足しましょう。
  2. 数値を入れる:現状の数値と目標値を明記することで、説得力が増します。
  3. 背景を説明する:なぜその役割が重要なのか、なぜその課題が生まれたのか、背景を丁寧に説明しましょう。
  4. 効果や期待を追加する:課題を解決することで、どんな効果が期待できるかを書き加えましょう。

ただし、無理に文字数を増やすために冗長な表現を使うのは避けましょう。

Q2: 自分の会社に当てはまる例文がない場合は?

A: 例文はあくまで「型」として参考にし、自分の職場に合わせてカスタマイズしましょう。

例えば、営業職の例文をベースにしつつ、以下のように変更します。

  • 自分の会社の経営理念を導入部分に入れる
  • 自分のチームの具体的な数値に置き換える
  • 自分の職場特有の課題に修正する

完全に一致する例文はありません。大切なのは、例文から「構成」と「書き方」を学び、自分の言葉で書き直すことです。

Q3: 「課題」が見つからないときは?

A: 以下の質問を自分に投げかけてみてください。

  • 日々の業務で「面倒だな」「非効率だな」と感じることは?
  • もし自分が課長だったら、真っ先に変えたいことは?
  • 後輩や同僚が困っていることは?
  • 他の部署と比べて遅れていることは?
  • お客様から指摘されたことは?

また、上司や同僚に「うちの職場の課題って何だと思う?」と直接聞いてみるのも効果的です。自分では気づかなかった視点が得られるはずです。

Q4: ネガティブな課題を書いても大丈夫?

A: 課題を指摘すること自体は問題ありません。むしろ、現状を正確に認識していることを示すことができます。

ただし、以下の点に注意しましょう。

  • 批判で終わらない:課題を指摘したら、必ず解決策とセットで書きましょう。
  • 建設的な表現を使う:「〇〇ができていない」ではなく「〇〇を改善する必要がある」という前向きな表現を使いましょう。
  • 会社全体を批判しない:「経営陣が無能だから」といった表現は避け、「部門として改善できること」にフォーカスしましょう。

Q5: 論文と面接の内容は統一すべき?

A: はい、統一すべきです。

論文に書いた内容は、面接で必ず深掘りされます。論文と面接で内容が矛盾していると、「場当たり的な考えだ」と判断されてしまいます。

論文を書く段階で、以下のことを想定しておきましょう。

  • 面接で「この課題について、もっと詳しく説明してください」と聞かれたら?
  • 「なぜその解決策を選んだのですか?」と聞かれたら?
  • 「実際に実行する際の障害は何ですか?」と聞かれたら?

論文に書いた内容を深掘りして説明できるように準備しておくことが大切です。

面接対策については「昇格試験 面接対策完全ガイド(質問50選)」でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。


昇格試験の論文を完成させて自信を持つビジネスパーソン

まとめ:自分の言葉で「自分らしさ」を表現しよう

ここまで、「職場における私の役割と課題」の書き方について、例文とともに解説してきました。

最後にお伝えしたいのは、完璧な例文を探すより、自分の経験を言語化することが大切だということです。

例文はあくまで「型」です。大切なのは、その型を参考にしながら、自分の職場、自分の経験、自分の言葉で書くことです。

面接官が見たいのは、「この人は本当に組織のことを考えているのか」「実際に行動できる人なのか」という点です。借りてきた言葉ではなく、あなた自身の経験と考えが詰まった論文を書きましょう。

そして、論文を書くプロセスは、自分自身を見つめ直す良い機会でもあります。「自分は何を大切にしているのか」「どんな管理職になりたいのか」を考えることで、昇格試験の合否に関わらず、あなた自身の成長につながるはずです。

✅ 今日からできる次のアクション

この記事を読んだら、まず以下の3つに取り組んでみてください。

  1. 自分の立場を整理する:現在の職位、目指す職位、担当業務、チーム構成をメモする
  2. 会社の経営理念を確認する:人事部のサイトや社内資料で経営理念・中期経営計画を読む
  3. 具体的なエピソードを3つ書き出す:これまでの成果や課題解決の経験を箇条書きする

この3つができれば、論文の骨子はほぼ完成です。

あなたの昇格試験がうまくいくことを、心から応援しています。


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