「クレーム対応で頭が真っ白になって、何も書けなかった……」
昇格試験のインバスケットで、もっとも差がつきやすいテーマが「顧客対応」です。
優先順位はなんとなく分かる。でも、実際に顧客の怒り・値下げ要求・競合の影がちらつく場面で「課長としてどう動くか」を書けと言われると、手が止まってしまう。
私がこれまで添削してきた受験者を見ても、顧客対応問題の得点率は、優先順位判断よりも平均15%低いというデータが出ています。
この記事では、インバスケット演習の「顧客対応」に特化した初級練習問題5問を、制限時間付きで出題します。
舞台は前回のセット①と同じ「明和ソリューションズ」。田中課長として、納期遅延・クレーム・値下げ交渉・競合対策・受注判断に挑んでください。
✅ この記事でできること
- 顧客対応に特化した5つのインバスケット問題に挑戦できる
- 各問題に「採点者が見ているポイント」の解答ヒント付き
- 悪い報告の伝え方・値下げ交渉の落としどころなど実務直結スキルが身につく
- セット①と連動した人物・状況設定でリアルな没入感
- よくある失敗パターン5つと振り返りチェックリスト付き
インバスケット試験の基本的な仕組みや評価軸をまだ押さえていない方は、先にCore記事をご確認ください。
なぜ「顧客対応」がインバスケットで重視されるのか
インバスケット試験の案件には、必ずと言っていいほど顧客絡みの案件が含まれています。
理由はシンプルです。管理職になると、担当者レベルでは対応しきれない顧客案件が、あなたのところに上がってくるからです。
クレーム。値下げ要求。納期遅延の報告。競合の動き。こうした「判断が求められる顧客対応」こそ、課長の仕事の本丸です。
❌ 不合格者の顧客対応パターン
「まず謝る」だけで終わる
「部長に判断を仰ぐ」だけで自分の意見がない
「値下げ要求を丸呑みする」or「全面拒否する」の二択思考
「競合が来ている」→ パニックになって値引きで対抗
✅ 合格者の顧客対応パターン
「悪い報告は早く・正確に・代替案とセットで伝える」
「部長に相談する前に、自分の判断軸と選択肢を用意する」
「値下げは拒否するのではなく、条件を変えて提案する」
「競合対策は価格ではなく、自社だけの提供価値で勝負する」

試験官が顧客対応問題で見ている4つの視点
- 初動の速さと誠実さ――悪い報告を隠さず、どれだけ早く顧客に第一報を入れられるか
- 事実と推測の分離――「確認済みの事実」と「まだ不確定な見込み」を混同せず報告できるか
- 代替案の提示――問題を報告するだけでなく、顧客にとって受け入れ可能な選択肢を示せるか
- 組織的対応力――一人で抱え込まず、上司・関連部門・担当者を適切に巻き込めるか
このセット②では、上記の4つが問われる5つのシナリオを用意しました。問題ごとに「顧客対応の引き出し」が増える設計になっています。
このセットの前提設定|明和ソリューションズ(セット①共通)
セット②はセット①と同じ会社・同じ人物・同じ時期の設定です。セット①を解いた方はそのまま読み進めてください。初めての方は、ここで設定を頭に入れてから問題に取り組みましょう。
あなたの役割
あなたは明和ソリューションズ株式会社(IT・システムインテグレーション、社員180名)の営業推進部 第2課 課長 田中誠一(42歳・着任3ヶ月目)です。

主要顧客3社の概要
| 顧客 | 年間取引額 | 担当 | 関係性 |
|---|---|---|---|
| 大東銀行 | 約3,500万円 | 山本裕介 | 第2課売上No.1。キーパーソンは情報システム部 伊藤次長 |
| 三和物産 | 約4,800万円 | 高橋美咲 | 第2課売上No.2。在庫管理システム刷新プロジェクト進行中 |
| 日本精密工業 | 約3,200万円 | 小林拓也(サポート) | 取引歴10年超。基幹システムの老朽化が課題 |
✅ 練習の進め方
- 各問題の制限時間を守って取り組んでください
- 回答には「顧客への伝え方」「社内への報告内容」「具体的アクション」の3点を必ず含めてください
- 各問題の解答ヒントは、まず自分で書いてから読むのが効果的です
- 全問解き終わったら、末尾の「失敗パターン」と「振り返りチェックリスト」で自己採点してください
問題1:納期遅延の報告(制限時間8分)
状況説明
4月14日(月)の朝、出社直後に開発部門のリーダー・木下(45歳)からメールが届きました。
三和物産向け「在庫管理システム刷新プロジェクト」の第2フェーズ開発で、主要機能のテスト工程において重大なバグが3件発見され、修正に最低1週間かかるとのことです。
当初の納品予定日は4月25日(金)。遅れると5月2日(金)になる見込みです。三和物産の松田部長(50代)は「4月末の棚卸しに間に合わせたい」と以前から強く要望しており、過去にも別件で納期が遅れた際に厳しいフィードバックがありました。
営業担当の高橋美咲は窓口ですが、ネガティブな連絡は課長同行を希望しています。開発リーダーの木下は「あと2名エンジニアを追加投入すれば3日短縮できるかもしれない」と言っていますが、追加投入には佐藤部長の承認が必要で、部長は午前中いっぱい社外ミーティングで不在です。
与件情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト | 三和物産 在庫管理システム刷新(第2フェーズ) |
| 契約金額 | 2,400万円(全3フェーズ合計) |
| 当初納品日 | 4月25日(金) |
| 遅延見込み | 5月2日(金)=1週間遅延 |
| 短縮策 | エンジニア2名追加で3日短縮の可能性(部長承認必要) |
| 顧客要望 | 4月末の棚卸しまでに稼働させたい |
| 過去実績 | 別件の納期遅延時に厳しい指摘あり |
| 佐藤部長 | 午前中不在(社外ミーティング) |
指示内容
あなたが田中課長だったら、この納期遅延にどう対応しますか?
三和物産への連絡のタイミング・方法、社内(部長・開発部門)への対応方針、遅延幅の最小化策、再発防止策の4点を具体的に記述してください。
✅ 解答のヒント(まず自分で考えてから読んでください)
この問題の核心は「悪い報告ほど早く、正確に、代替案とセットで伝える」ことです。
部長が不在だから午後まで待つ――これは不合格パターン。部長不在でも「事実の第一報」は午前中に顧客へ入れるべきです。ただし、確定していない短縮策を安易に約束するのもNG。
合格レベルの回答は、(1)午前中に高橋と三和物産へ第一報(事実のみ+対策検討中の旨)、(2)並行して部長に電話で承認を取り付ける、(3)技術部門に短縮可否の精査を依頼、(4)翌日に具体的なリカバリー計画を持って再度訪問――という時系列アクションです。
問題2:クレーム対応(制限時間8分)
状況説明
4月15日(火)午前10時、大東銀行のシステム企画部 遠藤係長(40代)から直通電話でクレームが入りました。
「先月導入した融資審査サポートシステムの処理速度が著しく遅い。申請データの読み込みに1件あたり30秒以上かかり、窓口業務が滞っている。月末の融資実行ラッシュを控えており、早急に改善してほしい」という内容です。
このシステムは2ヶ月前に本番稼働を開始し、稼働直後は問題なく動作していました。遠藤によれば「先週あたりから急に遅くなった」とのこと。先週は大東銀行側で年度切り替えに伴うマスタデータの一括更新を行った時期と重なります。
担当SE・後藤(28歳)に確認したところ、「データ量の急増によるパフォーマンス低下の可能性が高いが、現地調査しないと断定できない」との回答。ただし後藤は今週いっぱい日本精密工業で客先常駐中です。代替の加藤SE(33歳)は技術力十分ですが、大東銀行のシステム構成を把握していません。
与件情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 顧客 | 大東銀行 システム企画部 |
| システム | 融資審査サポートシステム(本番稼働2ヶ月目) |
| 症状 | 読み込み1件30秒以上(本来3秒以内) |
| 発生時期 | 先週から(マスタデータ更新と時期一致) |
| 担当SE 後藤 | 今週は別案件で客先常駐、即時対応不可 |
| 代替SE 加藤 | 技術力あり、ただし大東銀行のシステム構成は未把握 |
| 年間取引額 | 約3,500万円 |
| 業務影響 | 月末の融資実行ラッシュを控え、影響大 |
指示内容
あなたが田中課長だったら、この電話対応と、その後のアクションをどう進めますか?
遠藤係長への初動対応、技術面の対応体制、原因調査のスケジュール、社内報告の要否を具体的に記述してください。
✅ 解答のヒント
クレーム対応の初動で最も重要なのは「電話を切る前に、次のアクションと報告時期を約束する」ことです。
電話中にやるべきことは3つ。(1)お詫びと状況の傾聴、(2)発生時期・影響範囲の事実確認、(3)「本日中に原因調査の方針をご連絡します」というコミットメント。
技術面では、後藤がすぐ動けないのがポイント。加藤を現地に派遣しつつ、後藤にはリモートでシステム構成の情報共有を指示する「2名体制」を組めるかが評価の分かれ目です。また、大東銀行は年間3,500万円の取引先であり、部長への報告は「必要」です。
問題3:値下げ交渉(制限時間6分)
状況説明
4月16日(水)午後、三和物産の購買部・川口課長(45歳)から年間保守契約の更新についてメールが届きました。
現行の年間保守料は480万円(月額40万円)。「昨今の経費削減方針により、次年度は360万円(月額30万円)に引き下げてほしい。対応いただけない場合は他社への切り替えも含めて検討する」という内容です。
三和物産は年間取引総額約4,800万円の重要顧客。保守契約だけでなく、現在進行中の在庫管理システム刷新プロジェクト(問題1参照)もあり、関係を損なうわけにはいきません。
一方、保守契約の原価率は65%(月額26万円が原価)。360万円に値下げすると原価率は約87%となり、ほぼ利益が出ない水準です。部の利益率目標は粗利30%以上で、佐藤部長からは「安易な値引きはしないように」と常々言われています。
山本裕介に聞くと「三和物産さんは毎年この時期に値下げを言ってくるが、過去は1割引き程度で折り合ってきた。ただ今回は幅が大きいので、何か背景があるかもしれない」とのことでした。
与件情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 年間保守契約(現行480万円/年) |
| 値下げ要求 | 360万円/年(25%減) |
| 原価 | 月額26万円(年間312万円) |
| 現行粗利率 | 35% → 値下げ後:約13% |
| 部の利益率目標 | 粗利30%以上 |
| 過去の交渉実績 | 約1割引きで妥結 |
| 三和物産の背景 | 全社的な経費削減方針 |
| 進行中案件 | 在庫管理システム刷新プロジェクトあり |
指示内容
あなたが田中課長だったら、この値下げ要求にどう対応しますか?
川口課長への返答方針、値下げに応じる範囲の考え方、利益確保と顧客維持の両立策、社内への相談・報告を具体的に記述してください。
✅ 解答のヒント
値下げ交渉で評価されるのは「金額ではなく、条件で交渉する」視点です。
25%の値下げをそのまま受けれると粗利13%で赤字同然。一方で全面拒否すれば進行中のプロジェクトにも影響する。
合格レベルの回答は、たとえば「保守対象範囲を縮小して430万円にする」「深夜帯のオンコール対応を外す代わりに420万円にする」など、スコープの変更で金額を調整する提案を含めること。加えて、川口課長の「経費削減方針」の背景を面談で確認し、保守以外のコスト削減(例:運用手順の自動化提案)で総合的なコストダウンを提示できると高得点です。
問題4:競合乗り換え阻止(制限時間7分)
状況説明
4月17日(木)夕方、若手の小林拓也が報告に来ました。日本精密工業の生産管理部・中田主任(35歳)から聞いた話として、日本精密工業が基幹システムのリプレースを検討しており、競合のフューチャーテック社から提案を受けているとのことです。
日本精密工業とは10年以上の取引関係があり、年間取引額は約3,200万円(売上第3位)。しかし、ここ2年ほど「システムの老朽化が目立つ」「操作性が時代に合っていない」という声が現場から上がっていました。
フューチャーテック社はクラウドベースのERPパッケージを強みとしており、導入コストが自社のスクラッチ開発に比べて3〜4割安いと噂されています。ただし、日本精密工業の製造工程には特殊なプロセスが多く、パッケージでカバーしきれない業務もあるはずです。
中田主任によれば「まだ正式決定ではないが、来月中に経営会議に諮る予定」とのこと。日本精密工業の担当は山本裕介ですが、最近は他案件が立て込み、訪問頻度が月1回程度に減っていました。
与件情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 顧客 | 日本精密工業(取引歴10年超) |
| 年間取引額 | 約3,200万円(売上第3位) |
| 競合 | フューチャーテック社(クラウドERPパッケージ) |
| 競合の強み | 導入コストが自社比3〜4割安(推定) |
| 顧客の不満 | 現システムの老朽化・操作性の時代遅れ |
| 意思決定時期 | 来月の経営会議で方針決定見込み |
| 自社担当 | 山本裕介(最近の訪問頻度は月1回) |
| 情報源 | 中田主任 → 小林拓也経由 |
| 特記事項 | 製造工程に特殊な業務プロセスあり |
指示内容
あなたが田中課長だったら、この顧客維持(リテンション)課題にどう取り組みますか?
情報の確認方法、短期的なアクションプラン、競合との差別化ポイント、中長期的な顧客関係強化策を具体的に記述してください。
✅ 解答のヒント
この問題で最もやってはいけないのは「値引きで対抗する」こと。価格競争に乗った時点で、パッケージ製品には勝てません。
評価されるのは3つ。(1)まず情報の一次ソース確認(中田主任は意思決定者ではない。経営層への直接アプローチが必要)、(2)自社の差別化ポイントの整理(10年の業務理解、特殊工程への対応力、移行リスクの低さ)、(3)攻めの提案(現システムのUI刷新や段階的クラウド化など、競合が来る前に自分たちから改善プランを出す)。
さらに、「訪問頻度が月1回に減っていた」という事実は、自社の顧客管理体制の反省点として触れると加点されます。
問題5:新規大型案件の判断(制限時間7分)
状況説明
4月18日(金)午前、鈴木第1課長(48歳)から社内チャットで連絡がありました。
「知り合いの紹介で、中堅物流会社のグローバルロジ社(社員500名)から、配送管理システムの新規構築について引き合いが来ている。先方は8月末までの稼働を希望しており、概算で5,000万円規模。ただ、第1課では手が回らないので、第2課で受けられないか」という相談です。
5,000万円は第2課にとって今期最大級の案件になり得ます。今期売上目標2億円に対し、現時点の受注見込みは1億6,000万円。この案件を受注できれば目標達成が現実的になります。
しかし、現在の第2課のリソースを見ると、山本は三和物産案件、高橋は大東銀行案件、小林は日本精密工業のサポートにフルアサイン。余力があるのは新人の渡辺(OJT段階)と派遣の中村(契約上、上流工程への関与が制限)のみです。
8月末納期は実質4ヶ月。通常この規模の案件は6ヶ月以上を見積もります。受注しても品質・納期リスクが高い。一方、見送れば部の売上目標未達はほぼ確実です。
与件情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 案件 | グローバルロジ社 配送管理システム新規構築 |
| 概算規模 | 5,000万円 |
| 希望納期 | 8月末(実質4ヶ月) |
| 通常工期 | 6ヶ月以上 |
| 第2課の売上目標 | 2億円(現時点の見込み:1億6,000万円) |
| 稼働可能メンバー | 渡辺萌(新人・OJT中)、中村健(派遣・上流制限あり) |
| 主要メンバー3名 | 既存案件にフルアサイン |
| 紹介元 | 鈴木第1課長の知人経由 |
| 取引実績 | なし(新規顧客) |
指示内容
あなたが田中課長だったら、この案件をどう判断しますか?
受注・見送り・条件付き受注の判断と根拠、リソース確保策、リスク最小化の条件交渉、鈴木第1課長・佐藤部長への回答を具体的に記述してください。
✅ 解答のヒント
この問題は「受けるか・断るか」の二択ではありません。「どういう条件なら受けられるか」を設計するのが課長の仕事です。
合格レベルの回答は「条件付き受注」。たとえば、(1)納期を9月末に延ばす交渉、(2)第1課と合同チーム体制を提案、(3)パッケージ活用でスクラッチ部分を減らし工期圧縮、(4)フェーズ分割で8月末に第1フェーズだけ稼働させる――といった複数の条件交渉案を用意できるかが勝負です。
「全面的に受ける」→ 品質リスク無視で減点。「断る」→ 目標達成放棄で減点。どちらか一方ではなく、リスクを管理しながら最大限の成果を追求する姿勢が評価されます。
このセットで見られているポイント|採点者の視点
5問すべてに共通して、試験官はあなたの回答に「顧客視点と自社事情のバランス」を探しています。
顧客の要望に100%応えようとして自社を犠牲にするのも、自社の都合を押し通して顧客を失うのも、どちらも管理職の判断としては不合格です。
✅ セット②の評価観点4つ
- 初動のスピードと誠実さ――悪い報告を隠さず、早期に事実ベースで共有できるか
- 代替案の質と数――「できません」で終わらず、顧客が受け入れ可能な選択肢を示せるか
- 数字に基づく判断――粗利率・取引額・工数などの定量情報を判断根拠に使えるか
- 組織的対応――一人で抱え込まず、上位者・他部署・担当者の役割を適切に設計できるか
特にセット②では、「感情に流されず、事実と数字で判断する冷静さ」が重要です。クレームの電話で動揺してしまったり、競合の話を聞いてパニックになったりする回答は大減点されます。
セット②でよくある失敗パターン5つ
私が添削現場で実際に見かける、顧客対応問題の典型的な不合格パターンです。
❌ 失敗①「まず謝る」だけで具体策がない
問題1・2で「誠心誠意お詫びします」と書いて終わるパターン。お詫びは当然ですが、試験官が見ているのは「謝罪の後に何をするか」です。いつまでに・誰が・何を――この3点がないお詫びは得点ゼロです。
❌ 失敗②「部長に判断を仰ぎます」で思考停止
上位者に相談すること自体は正しい判断ですが、「自分ならこう考える」という判断軸を示さずに丸投げするのは課長失格。部長に相談する際は「A案とB案を用意して、私としてはA案を推奨します」というレベルで書いてください。
❌ 失敗③値下げを丸呑みする
問題3で「顧客維持のために360万円を受け入れる」と即答するパターン。粗利13%は事業として成り立たない水準です。顧客維持は重要ですが、赤字覚悟の値引きは経営判断の放棄です。
❌ 失敗④競合に価格で対抗しようとする
問題4で「競合より安い見積もりを出す」と書くパターン。パッケージ製品のコスト構造にスクラッチ開発で対抗するのは構造的に不可能です。自社の差別化ポイント(業務理解・カスタム対応力・移行リスク)で勝負する視点が必要です。
❌ 失敗⑤受注か辞退かの二択で考える
問題5で「無条件で受注する」「リスクが高いので辞退する」のどちらかを選ぶパターン。条件交渉という第三の選択肢を持てるかが、課長とプレイヤーの分かれ目です。
解き終わった後の振り返り方
顧客対応問題は、振り返りが特に重要です。なぜなら、顧客対応には「唯一の正解」がないぶん、自分の回答のクセに気づきにくいからです。

✅ 顧客対応の振り返りチェックリスト
- □ 初動(第一報)のタイミングは適切か。当日中に動けているか
- □ 事実と推測を分けて書けているか。「〜と思われる」「〜の可能性がある」と明確に区別しているか
- □ 代替案を少なくとも2つ以上提示できているか
- □ 数字を使った判断根拠があるか(取引額・粗利率・工数・期限)
- □ 上司・部下・関連部門の巻き込みが具体的に書かれているか
- □ 「お客様の立場」と「自社の立場」の両方を考慮しているか
1問でも「自分の回答にこの要素が抜けていた」と感じたら、そこがあなたの伸びしろです。1週間後にもう一度解いて、同じ抜けがないか確認してみてください。
本気で合格を目指すなら|学習環境の強化
顧客対応は「実際に書いて、第三者に見てもらう」ことで飛躍的に上達します。独学で練習問題を解くだけでは気づけない回答のクセを、フィードバックで修正するのが最短ルートです。
✅ さらに学びを深めたい方へ
- インバスケットの回答テンプレートと合格パターン分析
- ケーススタディとの連動学習(顧客対応+問題分析の複合スキル)
- セット①(優先順位判断)の復習で基礎固め
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✅ くもすけからひとこと
顧客対応は、管理職の仕事の中でもっともプレッシャーがかかる領域です。でも、だからこそここで「型」を身につけておくと、試験だけでなく実務でも圧倒的に楽になります。
「悪い報告は早く・正確に・代替案とセットで」――この一文を呪文のように覚えてください。
セット②をやり切ったあなたは、間違いなくセット①の時より成長しています。その成長を信じて、次のステップに進みましょう。
