「残業を月20時間削減します」。働き方改革をテーマにした昇格論文で、私がいちばん多く目にしてきた一文です。
言っていることは正しい。でも、この一文で終わっている答案は、ほぼ例外なく評価が伸びません。理由はシンプルで、「時間を減らす」ことは誰でも書けるからです。極端な話、仕事を止めれば残業はゼロになります。評価者が知りたいのはその先、つまり成果を落とさずに時間を減らす道筋を、あなたが設計できるのかという一点です。
この記事では、昇格論文の頻出テーマ「働き方改革」について、残業削減を成果に結びつける論の組み立て方を、主任・係長クラスと課長クラスの完成例文つきで解説します。テーマ別シリーズの3本目です。生産性向上・人材育成との書き分けにも触れるので、隣接テーマで悩んでいる方も安心して読み進めてください。
「働き方改革」の論文が凡庸になる理由は、削って終わっているから
まず、落ちる答案の典型を見てください。
❌ よくある答案(抜粋)
「当社においても働き方改革が求められている。私は係長として、業務効率化を推進するとともに、定時退社日を設定し、メンバーの意識改革を図る。これにより残業時間を削減し、働きやすい職場を実現する所存である。」
読める文章ですし、日本語としておかしいところもありません。それでも点が入らないのは、この答案が「どの業務が、なぜ、どれだけ膨らんでいるのか」を一度も書いていないからです。現状が特定されていないので、施策が定時退社日と意識改革という、どの職場にも当てはまる一般論になってしまう。
そしてもう一つ、決定的な欠落があります。減らした時間の分の仕事が、どこへ行くのかが書かれていない。定時退社日をつくれば、その仕事は翌日に移るか、誰かが持ち帰るか、管理職が巻き取るかのいずれかです。ここに触れずに「働きやすい職場を実現する」と締めてしまうと、評価者にはこう見えます。「この人は、現場で何が起きるかを想像できていない」と。
働き方改革の論文で差がつくのは、施策の目新しさではありません。削った時間の受け皿を、自分の言葉で設計できているかどうか。ここが全てです。
評価者が「働き方改革」の論文で見ている3つのこと
私が評価する側として答案を読むとき、このテーマでは意識的に次の3点を確認しています。
① 成果を落とさない設計になっているか
働き方改革は、労働時間を減らすことが目的の取り組みではありません。成果を維持または向上させたまま、働き方を変えるのが本来のゴールです。ですから答案では、時間の話と成果の話が必ずセットで出てこなければおかしい。残業時間の目標しか書かれていない答案は、極論すると「売上が半分になっても目標達成」になってしまいます。
② 削った時間のしわ寄せ先を潰しているか
ここが最大の差別化ポイントです。時間を削ると、その仕事は必ずどこかへ移動します。移動先の候補は、翌日の自分、他のメンバー、そして管理職自身。この3つのうちどこにも寄せない方法を書けている答案は、それだけで一段上に見えます。逆に「私が巻き取ります」と書いてしまうと、マネジメントの放棄と受け取られかねません。
③ 制度ではなく運用を語れているか
「テレワークを導入する」「フレックスタイム制を活用する」。制度名を並べる答案は多いのですが、制度の導入可否は多くの場合、人事部門の管轄です。あなたの等級で問われているのは、すでにある制度を、自分の職場でどう機能させるかという運用の話。ここを取り違えると、権限を超えた提案として減点されます。
✅ 3点をひとことで
働き方改革の論文は「時間を減らす話」ではなく、「同じ成果を、より短い時間で出せる状態に、職場をつくり変える話」。この一文を頭に置いてから書き始めると、論がぶれません。

混同注意:生産性向上・業務効率化・人材育成との線引き
働き方改革は隣接テーマが多く、書いているうちに話が横滑りしやすいテーマです。出題は「働き方改革」なのに、途中から生産性向上の話になり、最後は人材育成で終わる。こうなると、内容が良くてもテーマずれとして大きく減点されます。
混ざらないコツは、最初に「何を良くするのか」を一つ決めてしまうことです。
| テーマ | 問われている中心 | 典型的な数値目標 | 着地させる一文 |
|---|---|---|---|
| 働き方改革 | 労働時間と働き方の制度・運用 | 時間外労働時間、有給取得率、離職率 | 「成果を落とさず働き方を変える」 |
| 生産性向上 | 産出÷投入の比率 | 一人当たり売上、工数当たり処理件数 | 「同じ人数でより大きな成果を出す」 |
| 業務効率化 | 個別業務の手順とムダ | 作業時間、手戻り件数 | 「同じ仕事を、より速く正確に」 |
| 人材育成 | 個人の能力を組織として引き上げる仕組み | できる人の数、担当可能範囲 | 「できる人が増えた状態をつくる」 |
判別のコツはこう覚えてください。主語が「時間と働き方」なら働き方改革、主語が「比率」なら生産性向上、主語が「個人の能力」なら人材育成。
もちろん、働き方改革を進めれば生産性も上がりますし、育成も必要になります。ただし論文では、それらは副次的効果として最後に一行触れるにとどめる。主戦場を移してはいけません。
残業削減を成果に結ぶ4ステップ
ここからが本題です。働き方改革の答案は、次の4ステップで組み立てると、そのまま段落構成になります。

ステップ1:残業の中身を3つに分類する
「残業が多い」は現状ではありません。ただの感想です。評価される答案は、残業を必ず中身で分けています。分け方は3つで足ります。
| 分類 | 正体 | 職場での見え方 |
|---|---|---|
| 構造の残業 | 業務量が要員数を恒常的に上回っている | 誰が担当しても終わらない。全員が一律に遅い |
| 偏りの残業 | 特定の人・特定の時期に業務が集中している | 同じ課内で月10時間の人と月50時間の人がいる |
| 慣習の残業 | やめても困らない仕事が残り続けている | 誰も読まない日報、参加者が発言しない定例会 |
この3分類が効くのは、分類が決まった瞬間に、打つべき手が決まるからです。構造の残業なら業務の絞り込みや外部化、偏りの残業なら標準化と配分の見直し、慣習の残業なら廃止判断。ここを曖昧にしたまま施策を並べるから、答案が総花的になるんですね。
なお、業務の偏りや属人化を軸に書く場合は、平準化・標準化の考え方がそのまま使えます。
ステップ2:削る対象を1つに絞る
3分類したら、そのうち1つを主戦場に選びます。全部やろうとすると、800字でも1,200字でも必ず薄くなる。評価者から見ても、3方向に薄く手を出す答案より、1方向を深く掘った答案のほうが圧倒的に信頼できます。
選ぶ基準は「自分の権限で動かせるか」。たとえば要員増は課長でも即決できないことが多い一方、会議体の見直しや業務分担の変更は、係長クラスでも提案・実行できる範囲に入ります。
❌ 絞れていない例
「業務の標準化を進めるとともに、会議を削減し、RPAを導入し、要員の適正配置を人事へ提案する。」
4つの施策すべてが1〜2行で終わり、どれも実行手順が見えません。
✅ 絞れている例
「当課の時間外は、月末5営業日に全体の6割が集中している。本論では、この繁忙期の偏りを解消する取り組みに絞って述べる。」
主戦場が1文で宣言され、以降の記述に一貫性が生まれます。
ステップ3:削った時間の受け皿を書く
ここが、このテーマの心臓部です。時間を削ると、その仕事は消えるのではなく、どこかへ移動します。答案では、移動先を明示的に潰しにいってください。
✅ 受け皿の書き方は3パターン
①なくす:その業務自体を廃止・縮小する(判断基準と決裁者を書く)
②移す:他部署・システム・外部へ渡す(渡す条件と合意の取り方を書く)
③ならす:時期や人の間で配分し直す(配分ルールと運用者を書く)
逆に、絶対に書いてはいけない受け皿が「自分が引き取る」です。プレイングマネージャーとしては誠実な姿勢に見えますが、論文では「仕組みで解決できていない」というシグナルになります。管理職に求められているのは、自分が頑張ることではなく、自分がいなくても回る状態をつくることですから。
ステップ4:指標を「時間」と「成果」の2本立てで置く
目標を書く段になったら、必ず2本立てにしてください。片方だけだと、論理が閉じません。
| 指標の種類 | 置き方の例 | この指標が守るもの |
|---|---|---|
| 時間指標 | 時間外労働を一人当たり月28時間から18時間へ(6か月後) | 働き方改革そのものの達成度 |
| 成果指標 | 出荷遅延件数を月平均4件以内に維持 | 削減による成果の劣化を防ぐ |
この2本立てにするだけで、答案の説得力が変わります。「時間を減らしても、成果は落とさない」という宣言が、数字の形で表現されるからです。余裕があれば、有給取得率や特定メンバーへの偏り度合い(最大値と最小値の差)を三本目に添えると、さらに解像度が上がります。

なお、法律面の知識は1〜2文で十分です。時間外労働の上限規制(原則として月45時間・年360時間)や、年次有給休暇の年5日取得義務に一行触れておけば、労務の基礎を押さえていることは伝わります。制度の解説に段落を割くと、論文ではなく説明文になってしまうので注意してください。
制度の一次情報を確認しておきたい方は、こちらが確実です。
【職場タイプ別】働き方改革の施策ネタ帳
「自分の職場では何を書けばいいのかわからない」という相談も多いので、職場タイプ別に典型的な切り口をまとめました。そのまま使うのではなく、自分の職場の事実に置き換える下敷きとして使ってください。
| 職場タイプ | 残業が生まれる典型パターン | 書きやすい施策の方向 |
|---|---|---|
| 営業 | 訪問後の事務処理が夜に回る。案件の優先度が個人任せ | 報告様式の簡素化、移動中の入力運用、案件の絞り込み基準 |
| 製造・シフト | ライン停止や急な欠員を残業で吸収。休みが取りづらい | 多能工化による相互応援、休暇計画の事前確定、立ち上げ手順の標準化 |
| 事務・管理 | 月末月初に業務が集中。特定の担当者しか処理できない | 締め日の分散、前倒し可能業務の切り出し、二人体制化 |
| 開発・技術 | 仕様変更と割り込み対応で計画が崩れる | 受付窓口の一本化、変更受付の締切設定、レビュー時期の前倒し |
| 店舗・サービス | 繁閑差が大きく、閉店後の作業が長い | 時間帯別の人員配置見直し、開店前作業への移管、発注業務の簡素化 |
✅ ネタ帳の使い方
まず「残業が生まれる典型パターン」の列だけを読み、自分の職場に一番近いものを選ぶ。次に、その現象を自分の職場の固有名詞と数字で言い直す。この作業をしてから施策を選ぶと、借り物っぽさが消えます。
【例文】主任・係長クラス(800字)
設定:経理課(7名)。月次決算の第1〜5営業日に時間外が集中し、特定の2名に偏っている。
✅ 完成例文(約800字)
私が所属する経理課では、月次決算業務を担う7名のうち、時間外労働が特定の2名に集中している。直近半年の実績では、この2名が月平均42時間であるのに対し、他の5名は月平均9時間にとどまる。決算早期化の要請が続くなかで、この状態は業務継続の面でも看過できない。
現状を分解すると、残業の大半は月初の第1〜5営業日に発生しており、課全体の時間外の約6割がこの5日間に集中している。原因は二点ある。第一に、経費精算の突合と部門別実績の作成が、経験のある2名でなければ処理できない状態にあること。第二に、各部門からの伝票提出が締切日に集中し、月初にまとめて処理せざるを得ない業務設計になっていることである。
そこで私は、係長として次の三点に取り組む。第一に、属人化している2業務の手順書化である。処理の判断基準を含めた手順書を3か月以内に作成し、経験の浅い3名が第二担当として処理できる状態をつくる。第二に、伝票提出の分散である。金額基準を設け、一定額以下の伝票は随時提出へ切り替えるよう、各部門の窓口担当と合意する。第三に、決算期間中の業務配分の可視化である。第1〜5営業日の作業を工程単位で洗い出し、日次で担当と想定時間を割り付けたうえで、朝礼で進捗を確認する。
目標は二本立てで置く。時間指標として、集中している2名の時間外を月42時間から25時間以内へ、6か月後までに引き下げる。あわせて成果指標として、月次決算の報告期限である第7営業日の遵守を100%維持する。時間を削った結果として決算が遅れるのでは、本末転倒だからである。
想定されるリスクは、第二担当への移管期に処理誤りが増えることである。これに対しては、移管後3か月間は既存担当による最終確認を残し、確認で発見した誤りを手順書へ反映する運用とする。
働き方改革とは、時間を削ることではなく、特定の誰かに依存しない業務の形をつくることだと考える。私は係長として、仕組みの整備を通じて、課全体で決算を回せる状態を実現していく。
✅ この答案が加点される理由
・残業を「偏りの残業」と特定し、主戦場を1つに絞っている
・現状を「月42時間対9時間」「時間外の6割が5日間」と数字で切り取っている
・削った時間の受け皿を「第二担当への移管」と「提出の分散」で設計している
・時間指標と成果指標を2本立てで置いている
・施策が係長の権限で実行できる範囲に収まっている
【例文】課長クラス(1,200字)
設定:物流センターの出荷管理課(18名・2交代)。時間外が全社平均を上回り、有給取得率も低い。課長クラスでは、他部署との調整と要員配置の判断まで踏み込むことが求められます。
✅ 完成例文(約1,200字)
当社は中期経営計画において、従業員一人あたりの労働時間削減と定着率の向上を重点課題に掲げている。私が担当する出荷管理課は、18名を2交代で運用しているが、直近1年の時間外労働は一人平均月34時間と全社平均を12時間上回り、年次有給休暇の取得日数も課平均7日にとどまっている。本論では、課長として取り組むべき働き方改革について、現状分析、施策、実行上の留意点の順に述べる。
まず現状である。当課の時間外は、業務量が恒常的に要員を上回る構造の残業ではない。日次で見ると、時間外の約7割が16時以降に発生しており、その大半が当日出荷分の受注確定を待つ待機と、確定後の集中作業によって生じている。営業部門の受注締切が15時であるのに対し、システムへの取り込みと在庫引当が完了するのが16時前後であるため、実作業が定時間際から始まる構造になっている。加えて、フォークリフト有資格者が6名に限られており、有資格者が不在の時間帯は作業が滞る。この2点が、当課の時間外の主因である。
以上を踏まえ、課長として三点に取り組む。
第一に、営業部門との受注締切の見直しである。過去6か月の受注データを分析したところ、15時から締切直前に入る受注の約4割は、前日までに内示が出ている案件であった。営業部長と協議のうえ、内示のある案件は前日中の仮登録を必須とする運用に変更する。これにより、当日確定分の作業量を平準化する。導入は3か月以内を目標とし、まず取引量の多い2支店から先行実施する。
第二に、資格保有者の計画的な拡大である。当課の要員のうち、有資格者は6名にとどまる。年間4名の受講計画を立て、費用と勤務調整を課の年間計画に組み込み、2年以内に12名体制とする。これにより、特定時間帯の作業停滞と、有資格者への業務集中を同時に解消する。
第三に、休暇計画の事前確定である。各人が四半期ごとに取得予定日を提出し、シフト作成時に取得日を先に確保する運用へ改める。休暇を「余裕があれば取るもの」から「先に組み込むもの」へ変えることが、取得率改善には不可欠だと考える。
目標は二本立てで置く。時間指標として、時間外労働を一人平均月34時間から22時間へ、有給取得日数を課平均7日から11日へ、いずれも1年後を期限とする。成果指標としては、出荷遅延件数を現行の月平均3件以内に維持することを条件とする。時間短縮の結果として顧客への納期が乱れるのであれば、この取り組みは失敗である。
実行上の留意点は二つある。一つは、営業部門との調整が形骸化するリスクである。仮登録の運用は、営業担当者にとって手間が増える変更であるため、月次の営業・物流連絡会で実施率を共有し、定着状況を可視化する。もう一つは、資格取得期間中の一時的な要員不足である。受講は繁忙期を避けた月に集中させ、当該月は他課からの応援体制をあらかじめ取り決めておく。
働き方改革は、現場の努力で時間を圧縮する取り組みではない。時間を生んでいる業務の構造そのものを、部門をまたいで組み替える取り組みである。私は課長として、他部門との合意形成にまで責任を持ち、成果と働き方を両立させる職場をつくっていく。
✅ 課長クラスで押さえたい3点
・残業の主因を他部署との接点にまで遡っている(営業の受注締切)
・要員の能力構成(有資格者6名)という、配置判断の材料を出している
・調整が形骸化するリスクと、その予防策まで書いている
論文全体の構成そのものに不安がある方や、書き出しでつまずいている方は、こちらもあわせてどうぞ。
評価者が減点する5パターンと、提出前チェック
最後に、私が実際に減点してきたパターンを5つ挙げます。どれもよく見かけるので、書き上げたら照らし合わせてみてください。

NG1:打ち手が「意識改革」で終わっている
❌ 減点例
「メンバーの意識改革を図り、定時退社の風土を醸成する。」
意識は施策ではありません。意識が変われば解決するなら、とっくに解決しています。書くべきは、意識に頼らず結果が変わる仕組みのほうです。
NG2:時間指標しか置いていない
「残業を月20時間削減する」だけで締める答案です。前述のとおり、これでは成果が落ちても目標達成になってしまいます。成果指標を1つ添えるだけで、印象は大きく変わります。
NG3:制度の導入紹介で終わっている
「テレワークを導入する」「フレックスタイム制を活用する」。制度名を挙げただけで、誰がどう運用するかがない答案です。制度は前提条件であって、施策ではありません。
NG4:しわ寄せ先が自分か、特定の誰かになっている
「メンバーが残さないよう、私が最終確認を巻き取る」。頑張る姿勢は伝わりますが、評価者は「この人が昇格したら、同じことを部下にやらせるだろうか」と考えます。人ではなく仕組みに寄せてください。
NG5:自分の権限を超えた提案をしている
「人事制度を改定し、裁量労働制を導入する」。係長・課長クラスの答案でこれを書くと、実現可能性の低さで減点されます。制度そのものを動かすのではなく、今ある制度の運用を自分の職場でどう変えるかに落としましょう。
✅ 提出前チェックリスト(7項目)
□ 残業を「構造・偏り・慣習」のどれかに分類して書いたか
□ 主戦場を1つに絞ったか(施策の総花的な羅列になっていないか)
□ 現状に、自分の職場の数字が最低1つ入っているか
□ 削った時間の受け皿を「なくす・移す・ならす」で書いたか
□ 目標は時間指標と成果指標の2本立てになっているか
□ 施策はすべて自分の等級の権限で実行できる範囲か
□ 想定リスクとその予防策を1つ以上書いたか
評価者がどこを見ているかをもう少し広く知りたい方は、こちらもどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q1. 残業がほとんどない職場です。何を書けばいいですか?
働き方改革は残業だけのテーマではありません。有給休暇の取得日数に人によって大きな差がある、繁忙期だけ特定の人に負荷が寄る、休みたい日に休めない、といった論点はどの職場にもあります。「時間の総量」ではなく「時間の配られ方」に目を向けると、書くことは必ず見つかります。
Q2. 「生産性向上」と書き分ける必要はありますか?
あります。出題テーマに合わせて、着地させる一文を変えてください。働き方改革なら「成果を落とさず働き方を変える」、生産性向上なら「同じ人数でより大きな成果を出す」。序論と結論でこの一文を守れていれば、途中で似た施策が出てきても、テーマずれとは見なされません。
Q3. テレワークやフレックスに触れないと、古いと思われませんか?
思われません。むしろ、自社に制度がないのに触れるほうが不自然です。制度の有無ではなく、自分の職場の実態に即しているかで判断してください。制度に触れるなら「すでにある制度が使われていない理由」から入ると、運用の話として深みが出ます。
Q4. 残業時間の正確な数字がわかりません。書いてもいいですか?
「約」「おおむね」を付けたうえで、自分が把握している範囲で書いて構いません。試験官が社内システムと照合することはまずありません。それより、数字がゼロの答案のほうがはるかに不利です。直近3か月の自分とメンバーの状況を思い出せば、おおよその水準は書けるはずです。
Q5. 法律の知識はどこまで書くべきですか?
1〜2文で十分です。時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務に軽く触れ、「法令遵守は前提」という姿勢を示せば足ります。制度の解説を長々と書くと、論文ではなく調べ物の要約に見えてしまうので気をつけてください。
まとめ:減らす話で終わらせず、行き先まで書ききる
✅ この記事の要点
・働き方改革の論文は「時間を減らす話」ではなく「成果を落とさず働き方を変える話」
・残業は「構造・偏り・慣習」の3つに分類し、主戦場を1つに絞る
・削った時間の受け皿を「なくす・移す・ならす」で設計する(自分が巻き取るはNG)
・目標は時間指標と成果指標の2本立てで置く
・制度の導入ではなく、今ある制度の運用をどう変えるかを書く
働き方改革は、頻出テーマのなかでもとりわけ「それっぽく書けてしまう」テーマです。だからこそ、減らした先まで書ける人が、確実に抜けていきます。
まずは、直近1か月の自分の職場の残業を思い出して、構造・偏り・慣習のどれが一番大きいかを一言で決めてみてください。そこが決まれば、あとは今日の4ステップに沿って埋めるだけです。

