インバスケット練習問題③【関係者調整6問】中級・巻き込み力を鍛える

インバスケット練習問題セット③|関係者調整の中級6問 インバスケット対策

「自分の判断は正しいと思う。でも、相手が納得してくれない――」

昇格試験のインバスケットで最もつまずきやすいのが、「関係者調整」のカテゴリです。正解を出すだけでは足りない。関係する全員が動ける状態をつくることが、管理職の仕事だからです。

セット①(優先順位判断)とセット②(顧客対応)では、「自分がどう判断するか」が中心でした。セット③からは、「自分の判断を、どうやって関係者全員に実行させるか」が問われます。

部門間の対立、ベテランの抵抗、他課との顧客争い、外注トラブル、上司への悪い報告、新人のメンタル不調――6つの「自分ひとりでは解決できない」案件に挑んでください。

✅ この記事でできること

  • 関係者調整に特化した6つのインバスケット問題(中級)に挑戦できる
  • 部門間対立・ベテラン抵抗・外注トラブルなどリアルな場面で練習できる
  • 各問題に「採点者が見ているポイント」の解答ヒント付き
  • よくある失敗パターン5つと振り返りチェックリスト付き
  • セット①②と同じ舞台設定で没入感のある連続練習ができる

インバスケット試験の仕組みをまだ押さえていない方は、先にCore記事をご確認ください。


なぜ「関係者調整」が中級以上で問われるのか

初級のインバスケットでは「何を優先するか」「顧客にどう対応するか」が問われました。つまり「正しい判断を下す力」です。

しかし管理職の仕事は、正しい判断を下した後が本番です。その判断を、利害の異なる複数の関係者に納得させ、全員を動かす力がなければ何も変わりません。

❌ 不合格者の関係者調整パターン

「正論を言って終わり」→ 相手が動かない
「上司に丸投げ」→ 自分の判断軸がない
「全員の意見を聞いて折衷案」→ 誰も満足しない中途半端な結論
「声の大きい人の意見を採用」→ 調整ではなく追従

✅ 合格者の関係者調整パターン

「双方の利害の本質を見抜き、共通目標を設定する」
「自分の意見を持ったうえで上司に相談する」
「全員が100%満足でなくても、全員が動ける落としどころを作る」
「反対意見の裏にある本当の不安・懸念に対処する」

DB-Nextプロジェクトの関係者マップ(顧客・技術部・第1課・外注先の4方向調整)

試験官が関係者調整で見ている5つの視点

  1. 利害の本質を見抜く力――表面的な主張の裏にある真の懸念を特定できるか
  2. 落としどころを設計する力――双方が受け入れ可能な着地点を具体的に提示できるか
  3. 報告・相談のタイミング判断――上位者に何を・いつ・どう報告するかが適切か
  4. 組織全体を俯瞰する視点――自課の利益だけでなく、部全体・会社全体の最適解を考えているか
  5. 人への配慮と業務遂行のバランス――メンタルケアや個別事情に配慮しつつ、組織目標も達成する設計ができるか

このセットの前提設定|DB-Nextプロジェクト進行中

セット③はセット①②と同じ会社・人物ですが、時期が7月に進んでいます。大東銀行の基幹システム刷新プロジェクト(通称「DB-Nextプロジェクト」)が本格的に動き出しています。

あなたの役割

あなたは明和ソリューションズ株式会社営業推進部 第2課 課長 田中誠一(42歳)。DB-Nextプロジェクトでは営業窓口として顧客との要件調整を担当しています。

組織体制(セット③で追加される人物を含む)

役職・氏名 年齢 備考
部長 佐藤正樹 55歳 温厚だが意思決定が遅め
第1課 課長 鈴木康弘 48歳 社歴20年超。自部署の成果に強いこだわり
山本裕介(第2課) 38歳 ベテラン主任。技術知識は部内随一
高橋美咲(第2課) 32歳 中堅。顧客折衝に定評あり
小林拓也(第2課) 26歳 若手。行動力あるが経験不足
渡辺萌(第2課) 23歳 新人(入社2年目)。真面目だが繊細
中村健(第2課) 35歳 派遣社員。前職SIer。技術力は高い
技術部長 松田一郎 52歳 開発部門の責任者。品質に厳格
開発リーダー 吉田健太 34歳 DB-Nextプロジェクトの技術責任者

DB-Nextプロジェクトの現況

プロジェクト予算は8,000万円、納期は10月末。現在は全体の約40%が完了し、開発フェーズに入っています。画面設計の一部はテクノブリッジ社(協力会社)に外注中です。

関係者調整で使う判断フレーム(利害の整理→共通目標の設定→落としどころの提示→合意形成)

✅ 練習の進め方

  • 各問題の制限時間を守って取り組んでください
  • 処理用紙に「誰に・何を・いつまでに・なぜ」を書き出してください
  • 中級なので、「誰を巻き込むか」「どの順番で動くか」を特に意識してください
  • 全問解き終わってから、末尾の「失敗パターン」と「振り返りチェックリスト」で自己採点してください

問題1:部門間の仕様変更対立(制限時間8分)

状況説明

DB-Nextプロジェクトの開発フェーズに入って3週間。大東銀行の情報システム部 木村部長から「口座振替の自動消込機能」の追加要望が届きました。当初の要件定義書には含まれていない機能です。

木村部長は「この機能がなければ、現場の経理担当者が毎月200件以上の手作業を強いられる。基幹システム刷新の意味がない」と強く主張しています。

一方、開発リーダーの吉田は「自動消込はマスタ設計を根本から見直す必要があり、現在のスケジュールでは対応不可能。最低でも2ヶ月の追加工期が必要」と回答。技術部長の松田は「営業が安請け合いしたのでは?」と疑念を持っています。

佐藤部長は「まずは双方の言い分を整理してほしい」と言うにとどまり、方針を示していません。今朝、木村部長から「今週中に回答がなければ、プロジェクト全体の見直しを検討する」とのメールが届きました。

与件情報

項目 内容
追加要望 口座振替の自動消込機能(約800本のマスタ連携)
開発側見積 追加工期2ヶ月、追加費用約1,200万円
現在の進捗 全体の40%完了、納期10月末
顧客の期限 今週金曜(3営業日後)までに方針回答
契約上の変更条項 仕様変更は「別途協議」と記載(具体的手続きなし)
プロジェクト予算 当初8,000万円(残予算3,800万円)

指示内容

あなたがこの課長だったら、今日1日でどのような行動を取りますか?

顧客への今週中の回答方針、開発部との調整、上司への報告、代替案を具体的に記述してください。

✅ 解答のヒント(まず自分で考えてから読んでください)

この問題の核心は「顧客 vs 開発部」の板挟みを、課長がどう調整するかです。

最悪の回答は「できません」と顧客に伝えること。次に悪いのは「やります」と安請け合いすること。

合格レベルの回答は、代替案を用意することです。たとえば(1)自動消込機能を簡易版と完全版に分け、簡易版を10月末に納品・完全版は次フェーズで対応、(2)追加費用の変更契約を並行で進める、(3)今週中に木村部長には「対応の方向性」を回答し、詳細は来週提示。「全か無か」ではなく段階的な提案ができるかが勝負です。


問題2:ベテラン部下の抵抗(制限時間6分)

状況説明

会社がDX推進の一環として、全社的にプロジェクト管理ツール「TaskFlow」の導入を決定しました。来月から全部門で利用開始で、各課長にはチーム内への展開と定着化が求められています。

中堅の高橋や若手の小林は前向きですが、ベテランの山本裕介が強く反対しています。

❌ 山本の主張

「今のExcel管理で十分回っている。新しいツールを覚える時間がない」
「DB-Nextプロジェクトの山場に、余計な作業を増やすべきではない」
「前の課長はこういう現場の声を尊重してくれた」

昨日のチームミーティングでは、山本が反対意見を述べた後、渡辺や中村も「確かに今は忙しいですし……」と追従し、賛成派の高橋が孤立する場面がありました。

TaskFlowの導入は役員会決定事項であり、第2課だけが導入しないという選択肢はありません。全社説明会は先月実施済みで、操作マニュアルとeラーニング教材が配布されています。

与件情報

項目 内容
導入ツール TaskFlow(クラウド型プロジェクト管理ツール)
導入期限 来月1日から全社利用開始
教育リソース 操作マニュアル、eラーニング(各自1時間程度)
山本の担当 DB-Nextプロジェクトの技術仕様調整(最重要タスク)
賛成派 高橋美咲、小林拓也
慎重派 山本裕介、渡辺萌、中村健(山本に追従)
決定権限 役員会決定事項(課長判断で撤回不可)

指示内容

あなたがこの課長だったら、山本への対応とチーム全体の導入推進をどう進めますか?

山本への個別対応、チーム全体の導入スケジュール設計、追従している慎重派への対処、DB-Nextへの影響最小化の4点を記述してください。

✅ 解答のヒント

この問題で最もやってはいけないのは「役員会決定だから従え」と正論で押し切ること。正しいけれど、山本は動きません。

評価されるのは3つ。(1)個別面談で山本の本当の不安を聞く(「時間がない」の裏にある「新しいことを覚えられるか不安」を引き出す)、(2)段階的導入を設計する(全機能一気ではなく、まず進捗管理だけ使い始める)、(3)山本をパイロットユーザーにする(抵抗者を「推進者」に変える巻き込み策)。

チーム全体については、高橋を孤立させず「推進リーダー」として公式に任命することで、賛成派に役割を与えるのも有効です。


問題3:他課との顧客担当争い(制限時間7分)

状況説明

三和物産から新規のクラウド移行案件(見積額約3,500万円)の引き合いがあり、高橋美咲がヒアリング2回を完了、来週に提案書を提出する予定です。

ところが本日、第1課の鈴木課長からメールが届きました。「三和物産はもともと第1課が5年間担当してきた顧客。昨年の組織改編で一時的にそちらに移管されたが、購買部長・岡田さんとの関係は今も自分が維持している。今回のクラウド案件も先月の懇親会で岡田さんから自分に相談があった話が発端。担当を第1課に戻してほしい」という内容です。

佐藤部長に確認すると「組織改編で正式に第2課に移管された経緯がある。ただ、鈴木くんの言い分も分かる。課長同士で話し合ってくれ」との回答でした。

高橋は「ここで担当を変えたら、三和物産の信頼を失います」と強く主張しています。

与件情報

項目 内容
案件規模 クラウド移行、見積額約3,500万円
担当履歴 過去5年:第1課 → 昨年の組織改編で第2課へ移管
第2課の進捗 ヒアリング2回完了、提案書骨子作成済み
提案書提出予定 来週月曜日
鈴木課長の主張 購買部長との人脈、案件の発端は自分
佐藤部長の指示 「課長同士で話し合ってほしい」
高橋の意見 「今さら担当変更は顧客の信頼を失う」
競合状況 他社2社が提案予定

指示内容

あなたがこの課長だったら、鈴木課長との協議にどのような方針で臨みますか?

具体的な落としどころ、顧客への対応方針、部長への報告、高橋へのフォローを記述してください。

✅ 解答のヒント

この問題で評価されるのは「勝ち負けではなく、会社全体として受注を勝ち取る視点」です。

「第2課が正式担当だから譲らない」→ 鈴木課長との関係悪化で部門連携に支障。「第1課に譲る」→ 高橋のモチベーション低下+顧客混乱。

合格レベルの落としどころは、たとえば「第2課が主担当で提案書を提出し、鈴木課長の購買部長ルートを営業支援として活用する合同体制」を提案すること。これなら第2課の努力も活き、鈴木課長の人脈も活かせ、何より顧客にとって最も手厚い体制になります。


問題4:外注先のトラブル(制限時間7分)

状況説明

DB-Nextプロジェクトで画面設計の一部を外注している協力会社「テクノブリッジ社」から、最初の3画面分の成果物が納品されました。開発リーダー吉田の検収の結果、重大な問題が判明しました。

❌ 検収結果の問題点

画面遷移図がシステム要件と不整合(3画面中2画面)
命名規則が当社コーディング規約に非準拠
レスポンシブ対応が未実装(仕様書に明記済み)
テストケースが添付されていない(契約上の納品物)

テクノブリッジ社の担当PM・藤井氏に連絡すると「ベテランが急遽退職し、新人2名で対応している。修正に2週間かかる」との回答でした。

テクノブリッジ社とは今後も協力関係を維持したい一方、DB-Nextの納期は絶対に遅らせられません。残り7画面の納品は来月中旬。技術部長の松田からは「外注管理は営業の責任だ。品質保証を確約してくれ」と言われています。

与件情報

項目 内容
外注先 テクノブリッジ社(従業員30名の協力会社)
契約金額 600万円(全10画面の設計)
納品状況 3画面納品済み(2画面に重大な不備)
修正見込み 2週間(テクノブリッジ社回答)
残作業 7画面(来月中旬納期)
品質問題の原因 ベテランエンジニア退職、新人2名で対応
今後の関係 別案件でも協力関係を維持したい
社内の声 松田技術部長「外注管理は営業の責任」

指示内容

あなたがこの課長だったら、この外注トラブルにどう対応しますか?

テクノブリッジ社への要求と交渉方針、残り7画面の品質確保策、社内への報告と協力要請、プロジェクト全体への影響最小化の4点を記述してください。

✅ 解答のヒント

この問題は「感情的に責めるか、仕組みで解決するか」の分かれ目です。

テクノブリッジ社を責めても品質は上がりません。合格レベルの回答は(1)修正3画面の検収基準を明文化して再納品を要求、(2)残り7画面は中間チェックポイントを設けて段階的に確認(一括納品ではなく2〜3画面ずつ)、(3)自社側でも吉田リーダーにレビュー参加を依頼し、松田技術部長には「営業と技術の共同管理体制」を提案、(4)最悪ケースとして社内での一部内製化も検討しておく。


問題5:上司への悪い報告(制限時間6分)

状況説明

経理部からDB-Nextプロジェクトの月次コストレポートが届きました。確認したところ、プロジェクト開始3ヶ月時点で当初予算に対して約15%のコスト超過(約1,200万円)が発生していることが判明しました。

❌ コスト超過の内訳

顧客要望による仕様追加対応(未承認分):約480万円
テスト環境の追加構築費:約220万円
残業代の増加(開発チーム):約500万円
合計:約1,200万円の超過(予算8,000万円に対し15%)

佐藤部長にはまだ報告していません。部長は来週、役員向けのプロジェクト進捗報告会を控えています。

仕様追加分の480万円は顧客との正式な変更契約が未締結。テスト環境費は技術部の判断で発生しましたが営業部への事前連絡なし。開発リーダー吉田は「このペースだと完了時には超過額が2,000万円を超える可能性がある」と警告しています。

与件情報

項目 内容
プロジェクト予算 8,000万円
現時点の超過額 約1,200万円(15%超過)
完了時の超過見込み 最大2,000万円超(吉田リーダー試算)
仕様追加分 480万円(変更契約未締結)
テスト環境費 220万円(技術部判断、営業未連絡)
残業代増加 500万円(人員不足が原因)
部長の予定 来週、役員向け進捗報告会

指示内容

あなたがこの課長だったら、この状況をどう報告し、どう対処しますか?

部長への報告タイミングと伝え方、改善案、関係部署との連携、顧客との変更契約への動きを記述してください。

✅ 解答のヒント

上司への悪い報告で最も重要なのは「今日中に報告する」こと。来週の役員報告会で部長が知らない超過額が発覚したら、部長の信頼を致命的に損ないます。

報告時に必要な3点セットは(1)事実(超過額1,200万円の内訳)、(2)見通し(このままだと2,000万円超の可能性)、(3)改善案(仕様追加分480万円は変更契約で回収する、テスト環境費は技術部と費用按分を協議する、残業削減のため人員補充を検討する)。

「問題の報告」ではなく「問題+対策の報告」にすることで、課長としての管理能力を示せます。


問題6:新人のメンタル不調(制限時間5分)

状況説明

入社2年目の渡辺萌の様子が、ここ2週間で明らかに変わってきました。

遅刻が3回(入社以来ゼロだった)。ランチを一人で取ることが増えた。メールの返信が遅くなり誤字が目立つ。先週金曜に「体調不良」で午後半休。議事録作成の締切を初めて破った。

高橋美咲に聞くと「最近、渡辺さんから『自分はこの仕事に向いていないのかもしれない』と言われた」とのこと。ただし高橋は「個人的な相談として聞いたので、あまり広めないでほしい」とも言っています。

渡辺は現在、DB-Nextプロジェクトの顧客向け資料作成を担当しており、来週には大東銀行との定例会議で使う進捗報告書の作成期限が迫っています。

当社には従業員支援プログラム(EAP)があり社外カウンセラーに無料で相談できますが、利用率は低く、渡辺がこの制度を知っているかは不明です。山本は「新人なんだからもっと頑張らないと。自分が若い頃はもっと厳しかった」と発言しています。

与件情報

項目 内容
対象者 渡辺萌(23歳、入社2年目)
変化の期間 直近2週間
遅刻回数 3回(入社以来初)
担当業務 DB-Next顧客向け資料作成、議事録作成
直近の締切 来週の定例会議用 進捗報告書
高橋からの情報 「向いていないかも」発言(非公開希望)
山本の態度 精神論寄り、渡辺に相談しにくい雰囲気
社内制度 EAP(社外カウンセラー、無料)あり

指示内容

あなたがこの課長だったら、渡辺への対応をどのように進めますか?

本人への声かけ・面談の進め方、業務負荷の調整、高橋から得た情報の取り扱い、EAPや人事部との連携、山本を含むチーム環境づくりの5点を記述してください。

✅ 解答のヒント

この問題で絶対にやってはいけないのは「頑張れ」と精神論で励ますこと、そして高橋から聞いた情報を渡辺に直接ぶつけることです。

合格レベルの対応は(1)1対1面談を設定し、まず「最近どう?」と事実ベースで変化を伝えて話を聞く(診断はしない)、(2)来週の報告書は高橋にバックアップをつけて負荷を下げる、(3)EAP制度の存在をさりげなく案内する(「最近こういう制度の利用者が増えていて、活用している人も多いよ」)、(4)人事部に状況を共有して今後の対応を相談する。

山本の精神論への対処も重要です。個別に「新人への声かけの仕方」について話すか、チーム全体で「心理的安全性」について意識を共有する場を設けるかを検討してください。


このセットで見られているポイント|採点者の視点

6問すべてに共通して、試験官が探しているのは「関係者全員が動ける状態をつくれるか」という調整力です。

「正しい判断を下す」だけなら初級レベル。中級以上では、その判断をどうやって関係者に納得させ、実行に移すかまで書けないと合格ラインに届きません。

✅ セット③の評価観点5つ

  1. 利害の本質把握――表面的な主張の裏にある真の懸念を特定できるか
  2. 落としどころの設計――双方が受け入れ可能な着地点を具体的に提示できるか
  3. 報告・相談の適切さ――上位者に何を・いつ・自分の意見付きで報告できるか
  4. 組織全体の最適解――自課だけでなく、部全体・会社全体の利益を考えているか
  5. 人への配慮と業務遂行の両立――メンタルケアや個別事情に配慮しつつ目標を達成する設計ができるか

セット③でよくある失敗パターン5つ

関係者調整問題で不合格になる人には、共通のパターンがあります。

❌ 失敗①正論で押し切ろうとする

「役員会の決定だから」「契約書にこう書いてある」と正論だけで関係者を動かそうとするパターン。正しいけれど、相手は動きません。正論の「伝え方」と「順番」を設計するのが課長の仕事です。

❌ 失敗②全員の意見を聞いて折衷案にする

「みんなの意見を取り入れてこうしましょう」は調整ではなく妥協です。折衷案は誰も満足せず、結局誰も全力で動きません。自分の判断軸を示したうえで合意を取るのが調整です。

❌ 失敗③報告を先送りする

問題5のコスト超過を「もう少し情報を集めてから」と先送りするパターン。来週の役員報告会で部長が恥をかくのは、あなたの責任です。悪い報告は今日中が鉄則。

❌ 失敗④メンタル不調に精神論で対応する

問題6で「もっと頑張れ」「みんなも大変な中やっている」と書くパターン。これは課長としてのリスク管理ゼロの回答です。事実ベースの声かけ、業務負荷調整、専門機関との連携が必要です。

❌ 失敗⑤自課の利益だけで判断する

問題3で「第2課の担当だから譲らない」と書くパターン。組織全体として受注を勝ち取る視点がなく、縄張り意識の回答と判定されます。


解き終わった後の振り返り方

関係者調整問題は、振り返りが特に重要です。なぜなら、自分の「調整のクセ」は自覚しにくいからです。正論派なのか、妥協派なのか、先送り派なのか。自分の回答を客観的にチェックしてください。

インバスケット関係者調整問題の振り返りチェックポイント5項目

✅ 関係者調整の振り返りチェックリスト

  • □ 双方の利害(表面的な主張+裏の懸念)を把握できているか
  • □ 代替案・落としどころを少なくとも2つ提示できているか
  • □ 上司への報告タイミングは「今日中」になっているか(先送りしていないか)
  • □ 巻き込むべき人(上司・他課・専門部署)を巻き込んでいるか
  • □ 自分の判断軸が明確か(「誰かに流された」回答になっていないか)
  • □ 人への配慮(メンタルケア・個別事情)が業務指示とセットになっているか

関係者調整力は、昇格試験だけでなく管理職として最も使う実務スキルです。このセットで「調整の型」を身につけてください。


本気で合格を目指すなら|学習環境の強化

関係者調整は、自分一人で練習していると「自分の回答が調整になっているのか妥協になっているのか」の判断がつきにくい領域です。第三者のフィードバックが特に効果的なテーマです。

✅ さらに学びを深めたい方へ

  • インバスケット回答テンプレートの活用(関係者調整パターン)
  • ケーススタディとの連動学習(組織課題の分析+調整力の複合スキル)
  • セット①(優先順位判断)・セット②(顧客対応)の復習で基礎固め
関連記事(合格への最短ルート)

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✅ くもすけからひとこと

関係者調整は、管理職の仕事のなかで最も正解が見えにくい領域です。でも、だからこそ練習する価値があります。

「全員が100%満足する答え」はなくても、「全員が納得して動ける答え」は必ずあります

このセットで、その感覚を掴んでください。セット①②③を通じて、あなたの「インバスケット思考」は確実に鍛えられています。

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